“ぼっち”でも楽しめる! 『PSYCHO-PASS サイコパス』の人狼ゲームを体験してきた

 そして肝心の人狼ゲームも、なかなか楽しめる。正直なところ、自分でプレイできない人狼ゲームで楽しめるものなのか半信半疑だったが、自分の推理力に自信がある人ほど、おすすめしたい。

1509_sp_jinro_05渡邊隆義演じるナビゲーターの羽島も、色々な想像を掻き立てるキャラクターだ。1509_sp_jinro_06速水彬尚役の松崎史也は人狼TLPTの経験豊富。今回も推理をリードしていた。

 通常、推理作品には伏線が用意されており、解答者が必ず答えに辿り着けるように作られている。しかし、即興劇で構成される人狼TLPTでは、予め定められた結末はないため、物語に一切の伏線がない。そのため、人狼を推理するには、登場人物の発言はもとより、一挙一動までも気を配らなければならず、「観客は本当の推理力が試される」といえるだろう。まさに、新しいタイプの推理ゲームだ。

 さらに、“一挙一動”には、演じているキャラクターとしての言動だけでなく、“役者の素”も加わるのが面白い。役者が実際に人狼ゲームをプレイしている人狼TLPTでは、当然、物語の成り行きは、役者の推理力にかかってくる。

 ゲネプロでは、人狼TLPTで演じるのが初めてだという蒼樹智迅役の米原幸佑が、途中で物語の状況が分からなくなり「“蒼樹パニック”が起きています!」と発言する場面も。確かに、筆者も人狼TLPTの観劇は初めてだったため、13人も登場人物がいると、状況が分からなくなってしまうのもうなずける(初心者にうれしい、状況の解説付きのステージもあり!)。

1509_sp_jinro_02“蒼樹パニック”を起こした蒼樹智迅役の米原幸佑。彼の成長が気になるところ。

 しかし、この蒼樹智迅は新米刑事という設定だったが、こうしたキャラクターと役者がニアリーイコールになっているのもミソ。キャラクターを通して役者まで気になってしまうというスパイラルに陥ってしまうこともあるので、気をつけるべし! ちなみに、この“蒼樹パニック”は今回の結末(人狼ゲームの勝敗)に絡んできたので、本当に何が起こるかわからない……。

1509_sp_jinro_08緊張感漂う人狼ゲームのパート。“人狼”と疑わしい者が次々に処刑されてゆく。

 ただ、ひとつ言えるのは、『サイコパス』が好きな人、推理ゲームが好きな人は、百聞は一見に如かずで足を運んでもらいたいということだ。毎回、その1回限りのストーリーなので、物語も推理も何度でも楽しめる。そして最後に、人狼TLPTは「人狼ゲームをやりたいけれど、相手がいなかった!」という人にもおすすめ。独りぼっちさんも楽しめるというのが、人狼ゲームの舞台ならではの魅力といえよう。
(取材・文/桜井飛鳥)

人狼TLPT X 『PSYCHO-PASS サイコパス』
~INNOCENT MURDERER(無垢なる殺人者)~

【公演期間】2015年9月23日(水)~10月4日(日)/全16公演
【会場】シアターサンモール
【脚本・演出】吉谷光太郎(ミュージカル「AMNESIA」、超歌劇「幕末Rock」)
【出演】米原幸佑、戸谷公人、谷口賢志、高木俊、小林涼、加藤靖久、杉原勇武、永石匠 他
【チケット料金】前売り5,800円 当日6,300円(共に税込/全席指定)
【主催】セブンスキャッスル/クリエイティヴ零(ポリゴンマジック)
【公式サイト】http://7th-castle.com/jinrou/psycho-pass/
【公式Twitter】@JinrouTLPT
(C)サイコパス製作委員会 (C)7th Castle

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