ドローン人気に逆風か!? 専用設計の“ドローン撃退弾”が発売される

■消防ヘリの活動をドローンが妨害していた

 増え続けるドローンへの懸念を象徴するような2つの事件がこの7月に起っている。

 1つは、ケンタッキー州でのドローン撃墜事件だ。裏庭でホバリングしていたというドローンを散弾銃で撃墜したその家の主は、16歳の娘の生活がドローンによって盗撮されていると主張したのだ。

 人の家の敷地の上空を飛行し盗撮までしていれば撃墜されても当然だという声が多かったのだが、撃ち落されたドローンの操縦者がこの時に収録した映象を警察に提供したしたところ、娘の姿をとらえた映象はなかったことで事件は一筋縄ではいかなくなっているようだ。安易に発砲した男のほうが罪に問われることも考えられるという。これまでも実際にドローンを撃ち落して罰金刑を課されたケースがいくつか出てきているのだ。

 2つめは、カリフォルニア州で7月はじめに発生した山火事で消火・救難活動に向かう消防のヘリが、火事の模様を空撮にやって来た複数のドローンによって進路を妨害された事件である。これによって消火活動が15分遅れたといわれ、山火事に阻まれて高速道路上で放棄された車両が数多く燃えることになったという。

 また、もし空中でドローンと接触すれば最悪の場合は消防ヘリが墜落して消防隊員の命が失われる可能性もあったことから、きわめて重大な事件として管轄のサンバーナーディーノ市はこの時のドローンの操縦者を発見・通報した者に懸賞金を出すことを発表。その額、なんと7万5000ドル(約930万円)だ。

 現行法でドローンも立派な航空機と認められているアメリカでは、よほどの理由がない限り、もし撃ち落した場合は単なる器物損壊以上の(連邦法に抵触する)犯罪になってしまう。しかし今回の山火事のような深刻な事件が続けば、ドローンに対する法改正が真剣に討議されてくるだろう。

 ドローンによって各種の作戦を妨害される懸念もあってか、実際に米軍では対ドローン用のレーザー兵器を開発しており、民間でもボーイング社が旅客機にも搭載可能なドローンを排除する小型レーザー装置(兵器)を開発中であることが報じられている。ドローンによる“空の産業革命”と今後の空の安全について、これからもまだまだ議論が続きそうだ。
(文/仲田しんじ)

【参考】
・The Daily Dot(Drone Munition)
http://www.dailydot.com/technology/drone-munition-ammo/

・The Daily Dot(ボーイング社)
http://www.dailydot.com/technology/boeing-hel-md-drone-laser/

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