『トランス“B”メイド』(まる寝子)ご都合主義でも捗るTSFの興奮──著しく“濃い描写”で魅せる!

 数々の特殊すぎる性癖をカバーしてくれる変態さんにはうれしい出版社・キルタイムコミュニケーション。その中でも、最近ジャンルの拡大が著しいのがTSF(後天性性転換を扱ったフィクション作品)。同社が次々とリリースするTSF作品の中でも、高い人気を誇る作家・まる寝子の単行本『トランス“B”メイド』が発売になった。

 作者の3冊目となる単行本は、同人誌で発表された中編2編+描き下ろしカラー作品を収録したものだ。独自の世界観でTSFと、フタナリ作品を描き女の子になりたい変態男子たちの夢を存分に叶えてきた、まる寝子。これまでの作品はいずれも短編だったのだが、今回は中編ということもあり、身も心も女の子になっていく様がじっくりと描かれている。

 表題作の「トランス“B”メイド」はファンタジー的世界観の作品。親の残した借金のせいで住む家すらなくなった主人公が「肉体操作の実験に協力すること」を条件として、お屋敷の「メイド」として雇われて始まる物語だ。

「実験」とあるように、女体化は薬によって引き起こされるものだが、油断をすると女の肉体が持つ本能に精神をも侵食されていくという設定。つまり、お屋敷の坊ちゃんに「かわいい」とか言われると女の肉体がキュンと反応したりして、性欲が芽生えてしまうワケである。

 ただでさえそんな身体だというのに、ファンタジー設定を生かして淫魔を相手に3Pして精を注がれたりして、性欲をどんどん強化されてしまう。しかも、なんでもアリなのがファンタジー世界なのに、地味にスク水でプレイとかもあり。そして、いかなるシーンであっても全裸ではなく半脱がせでプレイなのである。

 そう、TSしたとて全裸にしてしまえば単なる女。それがスク水だとかブルマだとか、メイドだとかいろいろ属性が付加されることによって、変態男子たちを、より「こんなエロい女の子になりたいよぉ」という気持ちにさせてくれるのである。なんとも、TSFの興奮するツボをわかった作品だ。

 もう一本の収録作「朝女な俺とふたなりっ娘お嬢様」は、毎朝、目が覚めたら徐々に女体化しているという設定で始まる作品。その冒頭は秀逸で、鏡を前にオナニーしている主人公、じゃなくてヒロインが膣に指が入らないのを「マンガのようにいきなりずっぷずぷとはいかないよな~」と嘆いているのである。

 作者の前の単行本『女の子当番はじめました』に収録された表題作では、単に女体化しても女装した男にしかみえないこと。そして、化粧したりオシャレを学んだりして女を磨くシーンがやたらと気合を入れて描かれていた。おそらく作者のTSFのツボは、中身は男なのに女磨きをしまくって男を興奮させる美少女になるというところにあるのだろう。とても、素敵である!

 そして、この作品はTSFものの中でも変則的な展開をする。なんと、女体化した主人公は、ふたなりっ娘なお嬢様に、ふたなりにされちゃうんである。こうなると、もはや男も女も関係ないジェンダーを超越した性交である。

 このふたなり化だが、ふたなりっ娘なお嬢様と性交したら生え、またそれをしたらなくなったり。なんて便利なことだろう!

 リアルにこんな身体になったら、身体が持たないよな……と思いつつも、興奮度は非常に高い作品だ。どんなご都合主義な設定でも、かわいい絵柄と濃い描写で突破してしまう作者の力量に、今回も脱帽です。
(文=ピーラー・ホラ)

※モザイクは当編集部によるもの

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