『弱虫ペダル』の渡辺航が地元・長崎で講演会 荒木飛呂彦や秋本治との逸話も披露

 マンガ家としてのキャリアがスタートしたのは、2001年にマガジンスペシャルで連載した『サプリメン』。「それは単行本化されてないんですね。国会図書館とか行けばいいんですけど、初連載でも基本的には読むことができません」。雑誌掲載前のネームやペン入れにも触れ、「1枚いくらの原稿料で編集部に買って頂いて、雑誌に載って、それが面白かったら単行本になって、やっと印税が入ってくるという感じです」と経緯を説明した。

 マンガを描くに際しても「まずネームの段階で絵を描いて、OKが出たら原稿の段階で絵を描いて、それにペン入れをするので、同じ絵を最低3回描かなきゃならないんです」と説明。「マンガ家になってる人はこれをクリアしてる人なんで、読んでて面白くないなと思っても、その裏側では大変な思いをしてるんですよ」。渡辺さんの場合、週刊の『弱虫ペダル』だけでなく、さらに月刊の『弱虫ペダル SPARE BIKE』と『まじもじるるも 放課後の魔法中学生』が加わり、月に6回の締め切りがある。「でもマンガ自体は娯楽なんで、そういうのは取っ払って僕は読んでほしいと思ってるんです」。

■好きなものを仕事にするか否か マンガとして展開しやすいジャンルの発見

1508_yowapeda4.jpg渡辺「好きなものを仕事にすると嫌いになっちゃうというのがあるじゃないですか。僕はそれをすごく気にしてて、最初は断ってました」。

 渡辺さんは「自転車は好きで乗ってたんですが、編集さんと【女の子4人のわちゃわちゃなストーリー】の打ち合わせで雑談してた時に、『そっち(自転車)をマンガにしようよ』って言われて女の子の話じゃなくなりました(笑)」と、改めて『弱虫ペダル』誕生の経緯を述懐。

 週刊少年チャンピオンと言えば、曽田正人さんの自転車マンガ『シャカリキ!』の存在も大きい。「『それを超えられないからダメだと思うんですよね』って言ったら、編集さんは『まぁまぁいいからやろうよ』って。僕は女の子4人でわちゃわちゃを結構推してたんですけど」。描き始めてみるとマンガにフィードバックできた。「自転車に乗るのも楽しいし、マンガを描くのも楽しいねって発見があったので、描いてよかったなと幸せに思います」。

 マンガとして展開しやすいジャンルである発見も。「自転車レースだと、集団の中だと結構おしゃべりしてるんですよ。ヨーロッパのレース中でも、選手たちは割とおしゃべりしてて、競技中に話をしてるのもリアリティがあるし、同じ方向に向かって走ってて、足を緩めれば後ろの人が追いつくのが理にかなってるので」。

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