『サザエさん』から提供クレジットが消える日 東芝粉飾決済問題で株主たちが猛反発！　

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アニメ『サザエさん』HPより。

　東芝の粉飾決算疑惑から、ついにはフジテレビの提供番組、アニメ『サザエさん』についてまで「東芝をスポンサーから外せ」というクレームが届いているという。

『サザエさん』はもともと東芝の一社提供だったところ、バブル後の業績悪化で資産整理した後、複数企業による提供に変えているのだが、それでも『サザエさん』イコール東芝の提供番組というイメージは根強く、東芝への反発がこの人気アニメにも向かったというわけだ。

　フジ関係者によると「生殺与奪の権を握るスポンサーをこちら側が差し替えることはできない」と抗議には対応しない姿勢だが、これではメディアが広告主の違法行為を黙認しているようにも見えてしまう。

　事実、東芝の問題は同社が大口広告主でもあることから、テレビの情報番組などでも粉飾決算という言葉を自粛しているところもあり、ある番組では専門家に分析させずに「出演しているタレントに『これ粉飾決算じゃないの？』と素人感覚で言わせてガス抜きにした」という手法まで聞かれたほどだ。

　ほかでも「テレビ朝日の『モーニングバード』では東芝に気を使って、粉飾決算という言葉を使わないようにと指示したプロデューサーがいたらしい」という話も業界内で飛び交っているのだが、そんなメディアの弱腰にも強い反発を示しそうなのが、株価下落で損失を受けた株主たちだ。

　何しろ先日は、前社長が自宅の豪邸を妻に生前贈与するなどして、訴訟対策とも思える財産逃しの動きが伝えられ、これに株主たちは激怒。東芝への風当たりはますます強くなっている。東芝の株主である40代の投資家が語る。

「訴訟を起こす前は株価が下がることを恐れて汚名を最小限にしてほしいと願っていましたが、訴訟を決めてからはその逆。罪を大きく認めさせて相応の代償を吐き出させなければならないので、メディアにも真実を伝えるよう促したい」

　こうした声に、東芝はせめて表向きのパフォーマンスだけでも苦境を演じなければならないようで、社内では現在、営業部を中心に一部の部署で社員たちに「歓楽街での必要以外の飲酒を自粛せよ」という非公式な通達があったともいわれている。この時期に派手に飲み歩いているのはイメージ的によくないということなのかもしれないが、飲み歩くのも自粛させるようだと、テレビCMの自粛も時間の問題かもしれない。

　約4年前のオリンパスの損失隠し事件の際は、同社のCMが一定期間、放送自粛となっているだけに『サザエさん』から東芝の名前が削られる可能性も十分ある。フジテレビにそのあたりを聞いてみると「お答えできかねます」と回答は避けたが、東芝の方は「厳しいご意見をお聞きしておりますが、現時点ではそのような決定はございません」とのことだった。

　ただ、東芝のロゴを出しての「サザエさんは愉快だな～♪」なんてエンディングテーマを聴けば、株主たちの反発は必至だ。
（文＝ハイセーヤスダ）