声優文化をなくさないために…世界初!“声優”をテーマにした「声優ミュージアム」オープン!!

150810_seiyumuseum_1.jpg「声優ミュージアム」の記者会見の様子。左から、81プロデュース代表取締役の南沢道義氏、声優の山北早紀氏、中尾隆聖氏、三木眞一郎氏。

 8月8日、世界初となる声優をテーマとした展示施設「声優ミュージアム」が東京・笹塚に開館した。声優事務所大手・81プロデュースが手がけるこの施設は、同社が創立35周年記念事業として立ち上げたもの。施設には、資料の常設展示スペースのほか、81ライブサロンを併設し、同社所属声優による年間50もの公演も予定されている。開館前日の7日に行われた記者会見に登壇した同社代表取締役の南沢道義氏は、次のように語る。

「声優の歴史は、『鉄腕アトム』から数えても50年。世界には700もの言語があるが、中でも日本語は豊かな表現がある言語。それが吹き替えという文化を育んできたと思っている。私たちは日本語と真摯に向き合っていきたいと思っています。

 声優ミュージアムの開館が報じられてから、ネットでさまざまな声が聞かれました。その中に、80年代、90年代のベテランが引退すれば、声優文化がなくなるという人もいる。これはショックでした。私は次の世代の若者たちがつないでいくと信じています。声優ミュージアムを通じて、演じてきた歴史、演じていくであろう歴史をつないでいきたいと思います」

 創立以来、81プロデュースに所属してきた声優の中尾隆聖氏は、初めてアニメーションに出演したのは東京オリンピックの年だったという思い出を語った後、開館準備にあたって「台本をとっているか」と聞かれ、その多くを処分してしまっていて驚いた、というエピソードを披露。

「こういうのは、とっておかなきゃならないと思いました」と、声優ミュージアムの重要性を語った。

 81プロデュース付属養成所の第一期生・三木眞一郎氏は、この施設は声優という職業を多くの人に知ってもらえるものだと語り、「来館された人が、世間に発信していただければうれしい」と結んだ。山北早紀氏は、デビュー以来、まだ発展途上の自分に重ね合わせるかたちで「初めてやるものは、なかなか人から認められない困難もあると思うんですが、声優ミュージアムすごいね! と世間から言われるようになればいいと思っています」と熱く言葉を続けた。

150810_seiyumuseum_3.jpg声優神社のご神体・マイク

 今回、開館にあたって展示される資料は、同社の所有物のほか、所属声優より貸与されたもの。その中心はグッズや台本であり、まだ充実しているとは言いがたい。これについては、今後同業他社にも呼びかけて収蔵品を充実させていく予定だという。そんな施設の中で特に注目したいのは、一角に設けられた声優神社である。ここにうやうやしく祀られているご神体は、系列のHALF H・P STUDIO(制作・スタジオ運営を行う企業)が創業時に使用していたマイクなのだ。そこで、この神社の御利益を、南沢氏に聞いてみたところ――

「何十本もの作品収録に使用され、何百人もの声優が声を吹き込んだマイクです。ですから、オーディションを受けに行く前に参拝すれば必ず合格できます!」

 未来を夢見る若者たちが、参拝するスポットになりそうな予感がするぞ。
(取材・文/昼間 たかし)

■「声優ミュージアム」
http://seiyuu-museum.jp/

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