スパイミステリー『ジョーカー・ゲーム』TVアニメ化決定！　“微妙”だった映画版を越えられるか？

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TVアニメ『ジョーカー・ゲーム』公式サイトより

　柳広司原作のスパイミステリー『ジョーカー・ゲーム』（角川文庫）のTVアニメ化が発表された（放送局・時期は未発表）。監督を野村和也、アニメーション制作はProduction I.Gが担当する。

『ジョーカー・ゲーム』は、亀梨和也主演、入江悠監督によって実写映画化もされている（1月31日公開）。だが、「異能の天才たちによる“極限のスパイゲーム”」「日本版007！」といった勇ましい宣伝コピーと比べて、各国のスパイが間抜けすぎる脚本、ションボリなアクションで評判は今ひとつ。

入江監督の、いい雰囲気の絵作りと早いテンポ、深田恭子のエロドレス姿、そして強力なジャニーズファンの動員力もあって、初週末興行成績は約2億700万円と奮闘したが、結局大ヒットしたわけでも大コケしたわけでもない、シリーズ続編化の声も聞こえてこないという、微妙な結果となってしまった。

　2008年「このミステリーがすごい！」で2位、09年には吉川英治文学新人賞、日本推理作家協会賞を受賞するなど原作の評価は高い。TVアニメのできばえを楽しみにしたいところだが……。

「アニメとミステリーや推理ものは相性が悪いんです。実写ならともかく、アニメで動きが少ないと見栄えがしない。それに、たとえば密室の謎をめぐる展開があったとして、背景の窓やドアがどうなっているかは、重要なキーになりますよね。でも、TVアニメで背景をそこまで描き込むのは大変な労力ですし、情報の管制にも気を使う。『名探偵コナン』（日本テレビ）という、化け物人気シリーズは例外中の例外です」（アニメ制作関係者）

　だが野村は、Production I.Gが制作を担ったTVアニメ『戦国BASARA』（09～11年）シリーズ、『攻殻機動隊 新劇場版』（15年）などでも監督を務めてきた実力派だ。実写映画版を越え、原作小説ファンも納得できるようなTVアニメを期待したい。