「おっぱい見せろ！」「痴漢！」“アイドルオタクvs演歌オタク”新橋駅前の地獄絵図

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多様なオタクたちと酔っ払いサラリーマンたちで大賑わいに

　7月23日から新橋駅前で2日間にわたり開催された「第20回新橋こいち祭」。その2日目は、アイドルの篠崎愛、Ru：Run、演歌歌手の山口瑠美らのライブや、浴衣美人コンテストで盛り上がったが、篠崎らが登場した18時はちょうど新橋のサラリーマンたちが酒を飲みはじめる、あるいは帰宅しはじめるために駅に殺到する時間帯とあって、現場はカオスな空間と化した。

「脱げ～！」
「おっぱい見せろ～！」

　熱心なファンが集うアイドルのライブならまず聞かれない、下品なセクハラ野次。猛暑の中、ドリンクの出店では「売り始めて2時間で500本以上の缶ビールが売れた！」と店員は大喜びしていたが、現地では悪酔いした観客のマナー違反の振る舞いが目立ち、駅周辺ではタバコのポイ捨て、酔った客のおう吐も見られた。

　激しい振りつけを汗だくで踊る5人組アイドルグループ「Ru：Run」はメンバーが10代の少女にもかかわらず、複数の中年男性が前列に押しよせ、「汗ゲット！」と叫んだ。聞けば、飛び散る汗を浴びにいったのだという。この光景には取材に来ていた女性記者が思わず「キモい！」と声を上げたほど。

　さらに現場には、直前に出たテイチクの演歌歌手らのライブ目当てだった中高年の男女が集まっていたため、これとアイドルオタクが激突。アイドルのダンスを真似る若者が周囲を気にせず暴れるように踊ると、中高年から「ぶつかったぞ」「暴れるな」と怒鳴り声が聞こえた。

　まるで上野公園の花見客のような客層が駅に集中したような混乱ぶりで、客同士のいさかいもあったが、篠崎のライブ中には人ごみの中から「痴漢！」という女性の叫び声も上がった。後に運営サイドに聞いたところでは、開催中の痴漢通報は5件もあったというが「現場に行ってみると犯人は逃げていて……」と取り締まりには至らず。

駅ホームからの遠景。たしかにステージ上は確認しやすいが……

　ミニライブのあとの、ゆかた美人コンテストで連続シャッターの音が聞こえたのは、意外にも駅のホーム。カメラを持った男性がずらり並んだのは京浜東北線の大宮行きのホームや階段で「駅前広場よりも、ここからの眺めの方がきれい」として、早くから場所取り争奪戦になっていたという。過去、このコンテストの入賞者から芸能界デビューした者も多いため、撮影者たちは「アイドルの先物買い」とも語っていたが、当然、混み合う駅構内では通行の妨げにもなっていた。

　しかし、通行人の足がカメラの三脚に引っかかると、激怒したのは撮影者の方。ステージ上は問題なく進行したが、イベント終了後に泥酔して地面に転がる金髪の若者が担架で運ばれていくと、人々から「これ開催場所を変えた方がいいんじゃないの？」という声も上がっていた。
（文＝ハイセーヤスダ）