今年は夏コミはいつもとちょっと違う!? 人気ジャンルが一日目に集中で、印刷所に漂う修羅場感!!

150809_neko.jpg印刷会社(有)ねこのしっぽ公式HPより。

 夏のコミックマーケット(以下、夏コミ)の入稿に向け、各サークルともに締切が近づき、修羅場を迎えている今日この頃。商業でも活躍する作家に、同人誌の進行状況を尋ねてみたら「商業の仕事が忙しくて、まだネームすら切っていません。まあ、8月10日に入稿できればいいかな……」という話も。

 そんな祭りのための修羅場の中、今回はいつもに増して大変な状況になっているというのが、同人誌印刷所だ。

 なにしろ今回の夏コミでは、一日目に『艦これ』(『艦隊これくしょん-艦これ-』)、『刀剣乱舞』(『刀剣乱舞-ONLINE-』)、『東方Project』と、これまで二日目に配置されていた人気ジャンルが集中。ゆえに、印刷所としても従来とは違うスケジュールを組まなくてはならないからだ。

 これまでも、入稿の遅れで印刷料金がアップすることを覚悟で、締切を破った挙げ句に夏コミ開催直前でようやく入稿、印刷会社の必死の努力によって、救われていたサークルは多々あった。ところが、人気ジャンルの日にちが変わったことで、これまでは間に合っていたギリギリのスケジュールでも、印刷が間に合わない可能性がアップしたという具合である。

 ある印刷会社では製本を後回しにして入稿されたものから順に印刷をしていくことで、今年予想される修羅場を乗り切ろうとしていたり、印刷所の対応はさまざまな様子。

 多くのサークルが利用する印刷会社「ねこのしっぽ」の内田朋紀社長は、印刷はいつも通りとしながらも、今回は搬入作業に人手を割くため、前日のサークルスペースへのチラシ配布は諦めたと話す。その上で、内田社長は次のように語る。

「やはり、(印刷を頼んでいるサークルから)突然『入稿が遅れます』と言われると困りますので、遅れる場合にも早めに連絡を頂けると助かりますね」

 もちろん、サークルは入稿の締切に遅れないことが大前提。でも、印刷会社側も輪転機を止めて、原稿が来るのを待っているというわけにはいかない。遅れる場合でも、ちゃんと連絡を入れて、いつごろ入稿できるのか見通しを告げてくれなければ、混乱は拡大するというわけだ。

 夏コミまで、まだ10日以上はある。まずは締切に間に合うように必死に努力した上で、「間に合わない」と判断したら、印刷所に予定だけは必ず告げよう。もっとも、そば屋みたいに「今入りますよ、今!」なんていうのはNGで。
(取材・文/昼間 たかし)

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