同人誌の審査に、ネット情報は当てにならない!? 初心者が同人活動を始めてみると…【通販委託編】

■「掛け率は?」「審査は?」結構会社によって異なる同人通販の流れ

 同人誌の通販は、同人誌の販売会社を使うケースと、自力で通販する2つの方法がある。私の場合、自力通販はやり取りなどの事務手続きや、梱包などの細かい作業が泣きたくなるほど苦手なので、無理せず販社に依頼することにした。ヤフオクで家電を買う場合と違い、扱うのは同人誌というきわめて趣味性の高い商品だ。自力通販の場合住所と本名を教え合わねばならず、これは売る側、買う側、双方抵抗のある人もいるだろう。極めて例外的なことだろうが、自宅への押しかけや、大手掲示板に個人情報を流出されたりといったトラブルも、ネットで見ることができる。ただ、自力通販のほうが直にやりとりするため、感想がもらえやすいのは魅力だ。

 さて、販社を利用するにあたって、大手販社A社、B社、C社を比較した。

150816_hitoridojin_map.jpg同人誌大手販社条件比較表

・専売と併売…ひとつの販社しか利用しないのが「専売」。複数の販社を利用するのが「併売」。私の場合、そもそもの部数が少ないため、専売にした。

・掛け率…A社における「委託」と「買切」の違いだが、「委託」は委託期間が終われば作者に在庫は戻ってくるが、買切は販売会社が「買う」形だ。それなりに実績のあるところではないと販社も買切という選択肢は取らないだろう。

 三社の同人誌通販の流れを見ると、B社の場合、実際に見本誌を送付し、内容の審査が行われるとある。一方、A社は「サークルが作品登録→A社が発注連絡→サークルが納期返信→A社が発注確定連絡→サークルが作品納品→A社が検品、販売」というのが流れとして書いてあるだけで、そこには「内容の審査」をしているという記載はない。C社では、内容を元に、1週間以内に弊社にてご注文数を決定、という表記がある。

 上記条件から、私はまずA社にすることにした。掛け率からすれば他2社のほうがいいが、そもそもB社の原則条件である50部も手元に本がないのだ。私は50冊刷ったため、今売れるのは40冊強しかない。例外もあるだろうが、「原則」から外れればそれだけ審査に通りにくいと思ったのと、A社の場合、アップロードでもいいため、見本誌を郵送しなくてよくて楽なためだ。A社は「審査がゆるそう」と思ったのも大きい(これは勝手に私が思っただけで実態は不明だ)。

 A社のサイトからデータをアップロードし、いつまでに同人誌を販売会社の倉庫に納入できるかなどの期日も入力する。連絡がきたら、倉庫宛てに同人誌を送れば手続き終了だ。
 
 それから4日、特にメールは来ない。もしかしたら、とA社の通販サイトから自分の同人誌のタイトルで検索してみたら、販売ページがもうできて公開されていて予約受付、の状態になっていた。つつがなく手続きを終えられていたという喜びよりも「いつ同人誌を倉庫に納入するか」の期日が直前に迫っていたことに慌て、そのまま夜間まで開いている郵便局に行き、ことなきを得た。A社の場合、メールではなく、サークル専用サイトの中でやりとりをするようだ。

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