CDが売れない時代をマンガ家が救う!? 「聖飢魔II」のジャケットに『テラフォーマーズ』コンビ起用でファンも歓喜

2015.07.29

聖飢魔II公式サイト掲載のジャケット写真より。

 悪魔教の布教活動をする“悪魔の集団”もといハードロック・バンド「聖飢魔II」。この度、地球デビュー30周年となることを記念しての期間限定再集結をはたし、来月26日に究極の極悪集大成教典(ベストアルバムのようなもの)「XXX -THE ULTIMATE WORST-」(以下、「XXX」)を発布(リリース)することが決定した。同教典のジャケット・イラストを、『テラフォーマーズ』(集英社)のコンビ、貴家悠氏と橘賢一氏が手掛けることになり、各所から「超かっけー!」と絶賛されている。

「週刊ヤングジャンプ」(集英社)で連載中の『テラフォーマーズ』は、火星のテラフォーミング用に放たれて人型へ進化したゴキブリ「テラフォーマー」達と、駆除するために特殊な手術を施された人々との戦いを描いたSFマンガ。2013年版「このマンガがすごい!」(オトコ編/宝島社)で1位を獲得し、翌14年にはアニメ化、来年には実写映画化も決定するなど、いま波に乗る作品だ。

 そんな『テラフォーマーズ』の原作者・貴家氏は、熱狂的な聖飢魔IIの信者としても有名。その縁で『テラフォーマーズ』単行本の帯に、聖飢魔II・デーモン閣下がコメントを執筆した経緯から、今回「XXX」のジャケットを手掛けることになった。そして公開された、貴家氏と橘氏の渾身の力作には、「テラフォ作者が信者なのは知っていたけどジャケにゾッド親分とエース長官がいるのも素敵」「うれしいぜぇ~!」など、聖飢魔II信者も絶賛。さらに、「テラフォーマーズの実写映画、主題歌は聖飢魔IIになればいいな」という声も上がる。

 なお、マンガ家がCDのジャケットを手掛けるのは、もはや珍しくない。例えば、『カードキャプターさくら』『XXXHOLiC』(どちらも講談社)などで知られるマンガ家集団CLAMPがALI PROJECTのアルバム「Noblerot」を、『ろくでなしBLUES』『ROOKIES』(どちらも集英社)の森田まさのり氏は175Rのアルバム「MELODY」を手掛けている。また、『AKIRA』(講談社)の大友克洋氏が石野卓球のアルバム「DOVE LOVES DUB」を、『クローズ』(秋田書店)の高橋ヒロシ氏は湘南乃風のジャケットデザインを何作も担当。ジャケットではないが、浜崎あゆみのシングル「Rule/Sparkle」では、初回限定盤CD&DVDの盤面に『ドラゴンボール』(集英社)の鳥山明氏が浜崎あゆみを描き話題を呼んだ。そのほか、こうしたコラボは枚挙に暇がない。

 次に、どのマンガ家がどのアーティストのジャケットを手掛けるのかわからないが、どちらの業界にとっても明るいニュースには違いない。「CDが売れない」と言われる時代を、ペンで救うマンガ家を応援したい。

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