「選抜メンバーにも選ばれず、AKBにいる意味がないと思った」北原里英が明かすNGT48キャプテン就任までの苦悩

2015.07.24

 今月23日、『AKB裏ストーリー 北原里英24歳、アイドルの生き方』(TBS系)が放送された。この番組はAKB48のメンバーに密着したドキュメンタリーで、これまでにもAKB48の田野優花に迫っていた。今回は、今年10月から新潟に新設される「NGT48」のキャプテンとして就任する北原里英に密着。番組では、NGT48のキャプテン就任の経緯と共に、AKB48歴7年となる古参メンバー・北原の知られざる苦悩が明かされていた。

 北原は2007年、16歳の時にAKB48に加入。その後、1年と経たずに正規メンバーへ昇格、シングル曲の選抜メンバーにも選ばれるなど、AKB48メンバーの中でもスピード出世といえるほど、順風満帆な道を歩んできた。番組で、そんな北原の人となりをほかのメンバーに聞くと、高橋みなみや宮澤佐江いわく、北原はコミュニケーション能力が高く、誰とでも仲良くなれるという人柄。ほかのメンバーからは「ポジティブな自分が好きだからネガティブなことは言わないようにしている」(内田眞由美)、「芸能界で自分だけが生き残りたいタイプではない」(柏木由紀)、「自分は二の次、人のためをいつも思っている」(大家志津香)とも評された。本人も「ほかの人を蹴落としても上に行こうとまったく思わないです」と語る。

 人受けも良く、着実に人気メンバーへの道を歩いていた北原に変化が訪れたのは、2012年。当時AKB48の姉妹ユニットながら、最大のライバルといわれていたSKE48との兼任が決まったのだ。今でこそAKBグループの兼任メンバーは珍しくないが、AKB48メンバーがほかグループの兼任をするのは初ということもあり、兼任を受け入れられないファンが続出。結果、この組閣はファンからの反感を買い、北原自身もAKB48、SKE48双方のファンからバッシングを受けてしまうこととなった。これまでの順風満帆だったアイドル生活から一転、兼任後の選抜総選挙では2013年、2014年、どちらも選抜落ち。それに伴い、仕事も激減、シングル曲の選抜メンバーにも選ばれないなど、受難の時代が続くこととなる。

 かつての北原は、今年6月の選抜総選挙で1位となった同期メンバー・指原莉乃を抑え、「次世代エース」の筆頭だった。あるAKB48ファンは、この時期の北原について、「運営にも推され、多くのバラエティ番組に出演していた北原ですが、この番組で『ほかの人を蹴落としても上に行こうとまったく思わない』と語るように、自分から前に出ようとはしていませんでした。その中でSKE48との兼任が決まったので、辛い時期を過ごすことになったのでしょう」と語る。

 番組で当時の話を聞かれると、涙を浮かべながら「選抜メンバーにも選ばれず、古い人間(メンバー)だし、新しい風を吹かせることはできないかな。(AKB48に)いる意味がないと思いました。やりたいと思ってもできないしなぁって思ってた……」と、その苦節を吐露する北原。「考え方が古いかもしれないけど、芸能人って全部見せる職業じゃないと思って。明るい一面だけを見せるもの」というポリシーを持つ彼女でさえも、弱音を吐いてしまうほど、当時の辛さが伺える。

 だが、そんな苦悩の過去が、彼女の飛躍につながる。AKB48グループ総支配人の茅野しのぶは、北原について「選抜も経験しているし、そこから外れることも経験している。そんなメンバーは意外に少ないし、それぞれの(メンバーの)気持ちがわかる存在」と評する。その実績がプロデューサーの秋元康に買われ、NGT48発足に際して「キャプテンとして移籍しませんか。一緒にプロデュースする面でも助けてほしい」とのオファーを受ける。そして、北原はNGT48への移籍を決意するのだった。

 先述のように、一時は“終わった”とも言われていた北原。しかし、今年6月の選抜総選挙では自己最高の11位にランクインするなど、改めて、その存在感を世に見せつけた。今年、新たにNGT48のキャプテンとなる北原里英、今年は彼女が再びブレイクする年となるのかもしれない。

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