『弱虫ペダル』、タイトルの由来も明らかに!? 作者・渡辺航が明かす『弱虫ペダル』の裏話

150713_yowapeda.jpg弱虫ペダル』第40巻(秋田書店)

『弱虫ペダル』(秋田書店)の作者・渡辺航が7月13日放送の『ぼくらはマンガで強くなった「力のすべてを“ペダル”にかけて」』(NHK)に出演。『弱虫ペダル』の制作秘話などが明かされた。

『弱虫ペダル』は、現在「週刊少年チャンピオン」(秋田書店)で連載中の自転車マンガ。アキバ系オタクの主人公・小野田坂道が自転車と出会い、インターハイなどを通じて成長していく姿を描いた作品だ。アニメ・舞台化で人気に火が付き、単行本の発行部数は1300万部を突破。番組によると、毎年栃木県宇都宮市で開催される「ジャパンカップサイクルロードレース」の観客動員数にも影響を与えているという。

「ツール・ド・フランス」に5回出場した経験を持つプロロードレーサー・新城幸也も番組で「第1巻から読ませていただいています。自転車乗りすべての想いが入っている」と、『弱虫ペダル』の大ファンだと公言。作中で自転車のペダルを回す小野田が言う「回れ 回れ 回れ 回れええええ」というセリフに「本当にそうなんですよね。足いっぱい(いっぱい)だから『回れ』と言うしかないんですよ」と語るなど、『弱虫ペダル』はプロも魅了している作品のようだ。

 そんな『弱虫ペダル』の作者である渡辺航は、同作のほかに「月刊少年シリウス」で『まじもじるるも』(共に講談社)の連載も持っており、毎月120ページ以上の原稿を抱えているにもかかわらず、盛んにレースに出場し、時には1日100キロ以上自転車に乗ることもあるとか。番組で「見ているだけじゃわからないですよ。走っている感情は。自分がやってみて面白かったらマンガにする」と語る渡辺。当然、渡辺が自転車で得た経験はマンガの中で生かされており、実際、『弱虫ペダル』の背景はアシスタントではなく、すべて渡辺が自転車で得た実体験を元に描いているという。

 また、高校の自転車競技を描いた『弱虫ペダル』は、新城も「チームが力を合わせて戦う物語に特にひかれる」と語るように、チームプレーが光る作品。そのチーム戦の魅力を引き出すために主人公の小野田をエース選手にせず、あえてエースをアシストする側のキャラに設定したとか。加えて、本作ではエースをゴールまでアシストした選手がドラマティックにリタイアしていく描写があるが、渡辺は「エースのためにアシストがみんな散っていく。この“散り”に美しさやかっこよさがすごいある」と力説し、キャラの“散り”にこだわりを見せている様子も伺わせた。

 ほかにも番組では、主人公の小野田がオタクなのは、小説『電車男』(新潮社)を渡辺がマンガ化した『電車男~でも、俺旅立つよ。~』(秋田書店)の主人公が影響していること、同作のレース中、キャラのヘルメットが描かれていない時があることについて「ここはヘルメットないほうがかっこいいなと思ったらフレキシブルに外したりしている」と語るなど、作品の裏話が渡辺の口から明かされた。

 ちなみに、『弱虫ペダル』というタイトルは、重いギアでグイグイ走るほうが強くてかっこいいと思っていた渡辺が、軽いギアで坂道を登ることを自虐的に「弱虫ペダル」と呼んでいたのが由来だとか。現在、『弱虫ペダル』の物語は小野田にとって2度目となるインターハイ2日目の真っただ中。渡辺が語る“散り”はもう少し先になりそうだが、今年もキャラが散っていく姿にファンは涙を流すことになりそうだ。

弱虫ペダル 23 (少年チャンピオン・コミックス)

弱虫ペダル 23 (少年チャンピオン・コミックス)

荒北、鳴子(というかみんな)の”散り”で号泣した

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