「顔がわからない…」大物声優、葬儀の場で上がる声…その理由を業界関係者らが解説

 先月18日に声優・たてかべ和也さんが亡くなり、近年でも矢田耕司さん、納谷悟朗さん、永井一郎さんといったお茶の間を楽しませていた声優の訃報が続く声優業界。そんな大物声優が亡くなった際に、毎回現場で取材陣の間から聞こえてくるのが「声優さんの顔がわからない……」という声だ。一体なぜこんなことが起こるのか? その理由をさまざまな業界関係者に尋ねてみた。

 まずは、有名な俳優やタレントの葬儀取材事情はどうなのだろうか。「芸能事務所などが仕切る葬儀では、その会社の関係者が参列者を教えてくれることがありますね。それがない場合でも、俳優さんらは別の現場で見かけることも多いため、葬儀場でも顔を見ただけで判別しやすい。懇意にしている芸能プロのマネージャーなどが来ることもあるので、比較的声もかけやすいですよ。カメラマンたちも、有名人らが出てきた瞬間に『あっ、◯◯さんだ』とわかってフラッシュをたくので、その先にいる人物を見れば『なるほど』ということが多いですね」(芸能記者)

 これに対して、声優業界の葬儀では少々勝手が違うという。ワイドショー関係者が語る。

「芸能の葬儀現場のように、参列者の顔を教えてくれる関係者側のスタッフがいないこともよくあります。基本的にテレビ局は、普段、芸能を専門にしているワイドショー班が向かうので、事前にディレクターらがネットなどで声優さんの顔を調べていくんですが、ネット上で写真が出てこなかったり、仮に出てきても古かったりして、一目見て判別するのは難しいレベル。

 紅白歌合戦にも出ている水樹奈々さんとか、バラエティーなどにも出演されている山寺宏一さん、古谷徹さんといった方はわかりますが、なかなか前に出てこない方となると、申し訳ないのですがさっぱり。なので、声をかけられないのが現状です。また、芸能に比べてアニメの現場は動画取材がNGということが多く、取材も少ないため、声優の顔を覚える機会が少ない。葬儀へ取材に来るのもアニメ・声優をライフワークにしていない記者が大半なので、『アニメ誌の編集の方がいれば……』との声もありますよ」

 ほかにも、大物声優であっても、顔がわからないのには別の理由もあるのだとか。

「昔気質の声優さんは『そのキャラクターの声を聴いた時に自分の顔が浮かんだら嫌ではないか』と、声のプロフェッショナルとしての考えから、大物と呼ばれていてもよほどのことがない限り前に出ず、言われるまで顔がわからないという方もいるみたいです」(アニメライター)

 さまざまな事情が積み重なり、大物声優なのに「顔がわからない……」という状態が起こっているよう。アニメ『東のエデン』では、顔認識アプリなるものも描かれていたが、そんなシステムが世の中に普及でもされない限り、大物声優葬儀取材での顔判別というのは現状では難しいもののようだ。

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