『ドキドキしすたー葵ちゃん』“あざとい”ほど計算され尽くしたサービスシーン…気がついたら“妹萌え”にハマる!

『ドキドキしすたー葵ちゃん』あざといほど計算され尽くしたサービスシーン…気がついたら妹萌えにハマる!の画像1ドキドキしすたー葵ちゃん第1巻(KADOKAWA アスキー・メディアワークス)

 マンガ『ドキドキしすたー葵ちゃん』(KADOKAWA アスキー・メディアワークス)は、あざといくらいストレートに“妹萌え”を描く作品です。少しネガティブな言い方かもしれませんが、その描き方にはとにかく“あざとい”という言葉がよく似合います。

 なんといっても、第一話の一コマ目からヒロイン・葵ちゃんのパンチラ……しかも、男子ならみんな大好きな縞パンを描いているんですから! 一話完結で、とことんわかりやすい物語は、葵ちゃんのお兄ちゃんラブな妄想、そして、葵ちゃんのドジから起こるエッチなハプニングで満載です。

 葵ちゃんは、お兄ちゃんがラブ過ぎて何事もお兄ちゃんを絡めた妄想へと昇華します。第一話では、朝ご飯のスクランブルエッグを作りつつ、お兄ちゃんに「なんて美味いんだ」と褒められて、ウェディングドレス姿の自分に指輪をはめてもらう、お嫁さん妄想。第二話では、成績が上がったことをお兄ちゃんに褒められてもらえるかな、というモノローグから、褒められた後に「二人でアイの補習授業だ」と禁断の関係になっちゃう妄想……。中学生の葵ちゃん、妄想に幼稚と過激さが同居していてアンバランスなところにグッときます。

 この作品、読者の多くが男性でしょうし、とにかく読者にとって都合の良い妄想ワールドです。でも、そのあまりにもご都合主義な妄想を恥ずかしげもなく描ききっていて、それこそがこの作品の素晴らしさなのです。

 また、冒頭に書いたように、葵ちゃんの描き方が“あざとく”て、萌えずにはいられません。制服姿で描かれることの多い葵ちゃん、なぜか制服のスカートが異様に短い! なので、成長途中……おそらく第二次性徴期が始まって間もない中学生女子の生足が丸見え……。さらに、そこを過剰に強調するのでなく、サラっと描いていることも高ポイント。

 そうやって過剰なエロさもないまま、絶妙にギリギリなシチュエーションを展開させて読者を引き込んでいきます。第三話では、早くもお兄ちゃんと一緒にお風呂に入るシーンが! 当然、葵ちゃんは中学生なのでタオルは巻きます。短いページ数の中で、タオルは外れるのか……? 外れないのか……? 「エッチなことはいけないと思います」テイストな展開が起こるのか……!! ドキドキが止まりません。きっと、本作は無数の過激なエロ妄想がネームに描かれ、そぎ落とされ、読者の目に触れる作品となっていったのでしょう。それくらい、的確に読者が引き寄せられるポイントを突いてくるんです!

 それに、このテイストの作品には欠かせない新キャラ投入も、やっぱり“あざとい”。第4話からは、「かわいいものが、やたら好き」なアメリカ帰りの転校生・立花リリィが登場。いきなり葵ちゃんに抱きつくし、お兄ちゃんへの恋心を知れば応援してくれたり。そして、お兄ちゃんがドキドキする方法として、「ほっぺたにキス」をレクチャー。それも、葵ちゃん相手に実演して教えてくれます! この百合要素、この世界、いい匂いしかしない!!

 ちなみに、作中でのパンチラ・パンモロシーンは少しだけなのですが、そんな希少価値を煽るのも、作者ならではのテクニックといえるでしょう。計算され尽くした“妹萌え”の世界。これは、今まで妹に萌えなかった男子も“妹萌え”にハマる、危険な作品なのかも!?
(文/大居 候)

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