『目覚めると拳銃乙女を護る美少女拳士になっていた』ヒロピンとTS…キルタイムコミュニケーションはどこまで進化する気だ

 版元がキルタイムコミュニケーションなのに、一般のラノベ棚に置いてあった狩野景(文)/夏が夜かおる(絵)『目覚めると拳銃乙女を護る美少女拳士になっていた』。同社のラノベレーベル「あとみっく文庫」での刊行である。このご時世に、いろんなものを感じるレーベル名であるが基本は、二次元ドリームノベルズのノリな文庫である。

 二次元ドリームノベルズは、もともと同社の看板を確立した18禁小説レーベル。とにかくあらゆる作品でヒロインがピンチになるけど、最後は9割方ハッピーエンドという強固なテンプレで安定した売上を誇ってきた。いまだ全年齢雑誌『コミックヴァルキリー』から18禁アンソロまで、ヒロインピンチというニッチ嗜好な欲望を満たしてくれる。それと共に、同社の作品群の中で定評があるのが女体化もの。もともと異種姦やら魔法少女やら催眠やらジャンル特化型エロを得意としていたのだが、いつの頃からか女体化ものでも高評価を獲得。ニッチ嗜好ゆえにツボを突いているのか次々と作品を刊行している。……ちなみに、同社の18禁雑誌「二次元ドリームマガジン」今売りの最新号は特集が「偉人女体化」だそうなんだが、買うしかあるまい。

 さて、そんな出版社が、装いも新たに戦うヒロイン+女体化を投入してきたわけですから、これは読むしかありますまい。この作品は、2011年に同レーベルから刊行された『目覚めると従姉妹を護る美少女剣士になっていた』の外伝的位置づけの作品である。要は女体化に戦うヒロインという要素を加えてパワーアップした感じなのですが、元の作品も全年齢だったのに相当エッチだった挙げ句に18禁でコミカライズしている。

 これまで、そうした経緯があったためか、本作はホントに全年齢?やっぱり棚を間違えていたのではと思うくらいパワーアップ具合なのである。

 物語は、明治維新から数年後の帝都を舞台に拳銃を手に鬼と戦う「鬼操師」の袴少女・一条咲と、彼女を護る使命を帯びた拳法師・犬神綱利を中心として展開していく。この主人公である犬神が女体化してしまうわけだが……ま、ストーリーは読んで確かめて欲しい。

 問題はそこではなく、繰り出されるエロスだ。もともと、エロで売ってきた技術が確立されているのか展開が早い。本文が始まって、14ページ目から咲はみんな大好きなヒロインピンチに陥るのだ。このファーストピンチシーンに都合10ページも費やすワケだから、作者がホントに描きたいもの、出版社がホントにウリにしたいものがなにかが、よくわかる。

 そして、その記述!

「ほう、これは随分とハイカラなものを穿いておるのですな。色気づいた淫売牝がっ!!」
「ふぁああっ、見るなぁあっ!」
 
 この後、舐められるし「肉棒」を突きつけられるけど、全年齢向けです、多分。

 ファーストピンチは主人公の登場で解決するわけだが、二章の冒頭で主人公が目覚めると早くも女体化。そして二章開始から10ページほどで早くも次のエロ展開へと、とにかく展開が早い。展開が早い+Wヒロイン形式なのでエロのバリエーションも豊富なのが魅力である。それに、やっぱり実用するには文庫版は軽くていいのである。

 そんなわけで、お楽しみポイントいっぱいの本作。でも……書いていて不安になったのだが、秋葉原の某書店さん。これ、絶対に売り場間違えてたんじゃない? まあ、楽しめたからいいか。
(文/ピーラー・ホラ)

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