コレクター向けおまけシールはどう生き残る!? 『真おくのほそ道』はいかにして全国のファンに応えるのか

2015.06.27

第2弾「真おくのほそ道」しょうゆキャンディー味 パッケージ

 今、おまけシールが熱い!

 コンビニやスーパーマーケットに行けば、『妖怪ウォッチ』や『ポケットモンスター』をはじめ、子供に人気のキャラクターを題材としたおまけシール付き菓子や、おまけシール界の帝王『ビックリマンチョコ』の新作が、あちらこちらで販売されていることを知っている方も多いだろう。

 だが実際のところ、おまけシールブームが再燃し始めたのは昨日今日の話ではない。元々、成人のおまけシールコレクターというのは、一定数存在していたが、ここ数年、かつて子どもの頃におまけシールブームの薫陶を受けた世代が、ある程度自由にお金を使える年齢になってきたということで、Uターン組のおまけシールコレクターがじわじわと増加。既存のシールコレクターと合流する形で、おまけシール業界を盛り上げている。

 そんな事情もあり、いわゆる「大人のシールコレクター」向けのおまけシールもいくつか発売されている。その代表が、東京の都内の実在のラーメン店をモチーフにした『ラーメンラリー』。おたくグッズの古物商として知られる「まんだらけ」が、『ビックリマン』のデザイナーと組んで開発した『境外滅伝』。そして、かつて『ガムラツイスト』や『ラーメンばあ』などを手掛けたデザイン会社・スタジオメルファンがキャラクターデザインを手掛ける『真おくのほそ道』シールなどである。

 中でも『真おくのほそ道』シールは、江戸時代の俳人・松尾芭蕉が著した紀行文「おくのほそ道」を題材に、人間や神様、魔物などがバトルを繰り広げるというキャッチーな内容もさることながら、コンスタントに企画を起ち上げ、ユーザーを飽きさせない商品展開をしていることから、じわじわとファンを増やしつつある注目株である。

 そんな『真おくのほそ道』シールの第2弾が、6月28日正午よりネット上で注文受付をスタートするということで、販売元の株式会社ワイエスコーポレーション代表の保坂朋章氏に、「シンオクシール」こと「真おくのほそ道」第2弾の注目ポイントと、シール業界の現状について語ってもらった!

■「シンオクシール」第2弾の魅力!

──まず、『真おくのほそ道』シール第2弾の魅力を教えてください。

 今回は、従来のダブルシール(2枚重ねシール)に加えて、新たにトリプルシール(3枚重ねシール)を取り入れたことによって、「ガムラツイスト」「ラーメンばあ」の仕様を復活させた形になります。ユーザーの皆さんには、そこで懐かしさを感じていただきたいですね。とはいえ、「シンオクシール」ならではのストーリーやキャラクターも楽しんでいただけるように考えております。かつてのシールをオマージュし、それを連想させるキャラクターを「シンオク」風にアレンジしつつも、「シンオク」オリジナルの要素も楽しんでいただきたいですね。

──「シンオク」シールは、『ガムラ』『ラーメンばあ』など、かつての商品の魂を引き継いだ部分もある、ということですか?

 そういうところはありますが、それは単純にシールのフォーマットという部分だけではありません。例えばスタジオメルファンが携わったシールには、必ずメデューサをモチーフにしたキャラが出てくるんですが、「シンオクシール」第2弾でも、その流れを汲んでメデューサ・キャラを登場させています。その一方で昔ながらの48mm×48mmサイズのシールにこだわりつつも、毎回、技術面に関して新たな挑戦を試みています。今回は、定番の銀アルミシール(銀色に反射する素材のシール)を、今の技術で変化を加えつつ、いかにかっこよく見せるかに挑戦しています。今後も、シールのデザインや素材にはこだわっていきたいですね。

──ソーシャルゲームなどでは、デジタルデータ上のカード収集が一般的です。そういう意味では、今も昔と変わらずコレクション要素のあるものが流行っているとは思うのですが、デジタルなカードとアナログシールやカードのコレクションの最大の違いはどんなところだと思いますか?

 一番の違いは手にとった時の満足感です。シールコレクターは、なんとかしてシールやカードをコンプリートしたい。そして、自分の手に取れる形で所有したい。さらに、自分だけがそのシールやカードを眺めることができる、という満足感を得たい、という欲があるので、単純にデジタルデータで絵柄を集めるだけでは満足できないんです。そこが、アナログシールやカードと、デジタルデータ上のカードコレクションとの最大の違いですね。自分だけの庭園を造る、という昔ながらの粋な趣味に通じるところがあると思います。

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