第二次世界大戦の砲火をくぐり抜け、日本の降伏調印式場にもなった米海軍の「戦艦ミズーリ」がレゴで細部まで忠実に再現された! しかもレゴの船舶部門の世界新記録も達成したという偉業だ――。
■レゴで全長7.77メートルの「戦艦ミズーリ」を作製!
100万個以上のレゴで組み上げたというこの戦艦ミズーリを製作したのは、米・ミネソタ州ミネアポリスにあるレゴマニア御用達の玩具ショップ「Brickmania(ブリックマニア)」のオーナー、ダン・シスキンド氏だ。
シスキンド氏はレゴの世界記録(船舶部門)を破る船を作りあげたいとの一心から、この1/35スケールの戦艦ミズーリの製作に着手した。全長は約7.77メートル(25.5フィート)になり、それまでの世界記録だった7.66メートル(25.1フィート)をわずかであるが上回る快挙を達成したのだ。
レゴビルダー(レゴ製作者)の最新情報を追うYouTubeチャンネル「Beyond the Brick」でこのニュースが取り上げられ、シスキンド氏は戦艦のメカニズムを忠実に再現するための技術的な工夫を司会者のジョシュア・ハンロン氏に解説している。
戦艦ミズーリの外観と威容を再現するだけでなく、シスキンド氏は歴史的考証にもとづいたディテールにもこだわり、なんと当時の海軍兵士の制服まで調べて復刻した。こうして完成した戦艦ミズーリだが、実はまだまだ作業の余地があるということで、より精確な艦体の再現のために若いレゴファンと共にあと1カ月ほど製作を続けるという。1カ月先にどんな姿になっているのかも興味深いところだ。
ちなみに、この「戦艦ミズーリ」は6月20~21日に開催されたBrickmaniaの展示イベント「World War Brick Minneapolis」で一般公開されたという。
■倒産の危機から見事に甦り“レゴブーム”が再燃
1970年代から世界の子供たちの定番の玩具として安定した人気を誇ってきたレゴだが、ビデオゲームの普及などの影響もあるのか1990年代になって徐々に売り上げが落ち込み、2003年には倒産寸前の状況にまで転落したといわれている。しかしこれを機に経営体制と販売戦略のドラスティックな刷新を行い、見事に復活を果たし、数年ほど前から“レゴブーム”が再燃している。
今回のシスキンド氏もそうだが、ここ最近はファンの側の“創作意欲”もかつてない盛り上がりを見せている。昨年5月には、ハンガリーで34.76メートルというレゴタワーが建造され、ギネス世界記録を更新。もちろん日本でもレゴ関連の話題は豊富で、レゴ好きが高じて東大在学中に“東大レゴ部”を創立し日本人初の“レゴ社認定プロビルダー”として活躍中の三井淳平さんをはじめ、高専の学生“akiyuki”さんがレゴで製作した「車軸選別機」の動画が公開されたりと盛りだくさんだ。ちなみに三井さんがかつて製作した戦艦大和も全長6.6mとかなりの大きさだ。
レゴは子供向け屋外テーマパーク「レゴランド」を世界各地でオープンさせているが、2017年に日本初の「レゴランド」が名古屋でオープンすることが今年4月に決定し起工式が行われている。また、すでに2012年にオープンしている屋内型の施設「レゴランド・ディスカバリー・センター東京」に続き、4月23日には「レゴランド・ディスカバリー・センター大阪」が大阪市の天保山マーケットプレース内でオープンしている。何かと話題が尽きないレゴだが、次にどんな世界記録が飛び出すのか楽しみだ。
(文/仲田しんじ)
【参考】
・The Daily Dot
http://www.dailydot.com/geek/dan-siskind-worlds-largest-lego-ship-uss-missouri/
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