ユーチューバーは作られた文化!? 「歌ってみた」はオリジナリティがない!? ネット文化を議論した『TVタックル』が話題に

2015.06.23

「ネットに規制は必要か!?」をテーマに、6月22日に放送された『ビートたけしのTVタックル』(テレビ朝日系)。その規制反対派として出演した元ライブドア社長・堀江貴文氏と2ちゃんねる掲示板の開設者・ひろゆき(西村博之)氏が繰り広げた討論が“論破祭”としてネットを中心に盛り上がっている。

 今回、ネット規制推奨派として登場したのは、評論家の古谷経衡氏、弁護士の紀藤正樹氏、自民党衆議院議員の松本文明氏の3人。番組では規制派と規制反対派が犯罪、殺害予告といった問題のほか、ニコニコ動画で活動する「歌ってみた」「踊ってみた」、ユーチューバーのクリエイティビティについても議論が交わされた。今回はネットで特に話題となったやり取りを以下に見てみよう。

■インターネットが犯罪を助長しているという問題について

古谷氏「生放送や動画によって、ユーザーを巻き込む形で投稿者が快感を得ているので(犯罪は)増えている」
ひろゆき氏あなたの感想ですよね

松本氏「インターネットは犯罪の温床になっているのは間違いないですよね。それをどう防ぐか、効果があることだったら端からやっていくべきだ」
ひろゆき氏「日本の犯罪者の99%は携帯電話を使っていると思うんでしょうね。じゃあ携帯電話全部禁止にしたら犯罪なくなるって言ってるのと同じだと思うんですよ」

■ネット上のいじめ問題について

松本氏「高校生だとか中学生が誹謗中傷されて心が傷ついて自殺した事例もある」
堀江氏「それはネット以前からあることですよ」
ひろゆき氏「インターネットができたから(いじめによる自殺が)増えたっていうデータがあるならわかるんですけど、なんかそういうデータあるんですか?

古谷氏「インターネット黎明期に活躍されていたお二人(堀江、ひろゆき)が、質の低いユーザーを放置していたせいじゃないですか」
堀江氏「オレたちのせいにしないでくれる? 意味わかんない。あのさ、オレたち個人よ」
ひろゆき氏それはそうとしか理解できない知能の低さが問題なんだと思う(笑)

■中高生のスマホ利用時間と学力の低下が比例しているという事例について

松本氏「ネット利用時間が長いと学力が低下している」
ひろゆき氏「親の問題だと思うけど」
松本氏「ネットの影響を受ける子どもたちが多くなっている」
ひろゆき氏「それはたとえば1日5時間マンガ読んでいる人が成績悪くなりましたっていう話で、『お前ネットばかりやるな、マンガばかり見るな』というのは親の問題だと思うんですよ」
松本氏「それは親の問題?」
ひろゆき氏スマホなんか買い与えなければ良い

■「歌ってみた」「踊ってみた」、ユーチューバーのクリエイティビティについて

古谷氏「ユーチューバーとか『踊ってみた』とかすごい問題だと思うんですよ。ネット文化って、既存のもののコピーでしょう。オリジナリティ何もないですよね」
ひろゆき氏「(「踊ってみた」の)振り付けはユーザーが作ってますよ。曲を作るユーザーがいて、それをニコニコ動画にアップして、その曲に対して振り付けをつける人がいて、振り付けをして、踊る人がいるってことじゃないですか」
古谷氏「いやいや、それは、一部そういう人がいますけど……」
ひろゆき氏「ごめんなさい、僕ニコニコ動画の管理人やってたんで、違いますって言われても僕の方が詳しいと思うんですよ
堀江氏「文化が変わりつつあるんですよ」
ひろゆき氏嘘つくのやめてもらっていいっすか(笑)
古谷氏「それをクリエイティビティだって言ってるのがおかしいんですよ」
堀江氏「それがネット時代のクリエイティビティなんですよ。例えばDJって音作ってないじゃないですか。既存の楽曲を組み合わせて、それを上手く組み合わせることによって新しい価値を生み出している。まとめサイトも同じなんですよ。編集です」
古谷氏「それを編集だって言っちゃうと、それは本当に編集に失礼ですよ」
堀江氏「失礼とかじゃない。編集の在り方が変わっているだけですよ」

■「ユーチューバーはGoogleによって作られた文化」という意見に対する議論

紀藤氏「ユーチューバーの問題は、YouTubeが推奨しているんですよ。ユーチューバーの醸成をしていて、醸成することによってGoogleに広告収入が上がるんですね。文化に見えるんですけど、一方で作られた文化でもあるんですよ」
ひろゆき氏「テレビが番組を作って、文化を作るのはよくて、何でネットが文化を作るのはダメ?」
紀藤氏「よくもいいとも言っていない。文化っていうのは自分たちで作っているように見えて、いろんな人の思惑によって作られたものがる」
ひろゆき氏「この番組もスポンサーがいて、テレビ局いてでまったく一緒だと思うんですけど、何が違うんですか?」
紀藤氏「どういう文化を我々が作っていくのかは、自分たちで考えていかなければいけない」

 上記のようなやり取りを見た視聴者は、ネット上で「何かそういうデータあるんですか?」「嘘つくのやめてもらっていいすか」など早速、ひろゆきのコメントを使ったレスを展開。「使い勝手がいいな」「汎用性が高そう」などで盛り上がり、職人によるAA(アスキーアート)も作成された。

 また、議論の内容に関しても「規制派はネット知識が浅すぎる」「そもそも議論になっていない」という意見が多く、堀江氏とひろゆき氏のワンサイドゲームだっという印象が強い。しかし、その一方で「(ひろゆき得意の)論点のすり替え、揚げ足取り」といった見方をする意見も散見された。

 紀藤氏が番組中で発言した「0か100かの話になっている」という言葉通り、「ネットによる犯罪を減らす」という規制派の狙いに対し、反対派が「犯罪はなくならない」という意見を押していく場面も見られたのもたしか。今後、このような機会があるならば“ネット犯罪はなくせるか”ではなく、“ネット犯罪を減らすためにはどうすればいいか”をテーマにした議論も見てみたいところだ。

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