『ゼスティリア』騒動での声優・小松未可子の土下座は謝罪ではなかった!? ネットと「テイフェス」参加者の間にあるズレ

2015.06.20

 今月6、7日に開催された、人気ゲーム『テイルズ オブ』シリーズのイベント「テイルズ オブ フェスティバル 2015」(以下、「テイフェス2015」)において、舞台に登壇した声優・小松未可子が土下座をしたことが大きな話題になった。このことは、かねてより炎上していた“ゼスティリア騒動”に対する謝罪として、ネット上で受け止められた。しかし、「テイフェス2015」参加者は、こうしたネットの言説に違和感を唱える。

「今回のみかこし(小松未可子)の土下座は、ネットでは『ゼスティリア』(『テイルズ オブ ゼスティリア』)のことを謝罪した、という風に言われています。でも、現場で見ていたファンとしては、あの土下座は“謝罪”というより“感謝”の気持ちを表したもののように見えたんです」(「テイフェス2015」参加者)

 今回、小松の土下座がことさら注目を集めた背景には、先述の“ゼスティリア騒動”がある。今年1月に発売されたゲーム『テイルズ オブ ゼスティリア』(以下、『ゼスティリア』)は、“20周年記念作品”と銘打たれて期待されていたものの、発売前の情報と本編とのズレやシステム面のクオリティの低さなどが目立ち、シリーズのファンから大きく不興を買うことに。挙句、署名サイト「Change.org」では同作のプロデューサー・馬場英雄氏の解任を求める署名活動も行われるまでに発展。その中で、小松がCVを務めたキャラクターが優遇されているとして、批判の矢面に立たされてしまった。

「テイフェス2015」は、こうした批判が冷めない中で開催された。そして、2日目の7日に出演した小松が壇上で土下座。このことはネットでまたたく間に拡散された。ネット上では「なんでみかこし(小松)が土下座しなくちゃいけないんだ」「声優はなにも悪くないのにな」といった声のほか、「テイフェス2015」に馬場氏が姿を見せなかったことに触れ、「馬場Pが土下座をしろ」といった批判が多く上がった。

 ところが、前出のファンはこう語る。「あの時はイベントの最後で、みんなが順番に挨拶していたんですが、みかこしが『小松未可子です!』って挨拶したら、客席から『ロゼー!』『みかこしー!』って声援が上がったんです。もちろん、みかこしの頭の中にも『ゼスティリア』騒動の件は少なからずあったと思います。でも、あの土下座は、感極まったみかこしからの『ありがとう』って意味だったように見えました。会場の雰囲気は決して悪くない状態だったので、みかこしの土下座で微妙な雰囲気になったとは思われたくないですね」(同)
 
 前出のファンは「確かに『ゼスティリア』のゲーム内容については私もいろいろ思うところがありますけど……」と前置きした上で、「テイフェス2015」の会場では多くのファンが『ゼスティリア』のグッズを身につけていたそうで、同じく『ゼスティリア』に参加した声優・茅野愛衣が「(『ゼスティリア』も)テイルズファミリーに入れてもらってもいいですかー?」と呼びかけた際にも大きな拍手が起こっていたという。「イベントに行く前は『ゼスティリア』批判の声が怖くて、会場が荒れるんじゃないかと心配してました。でも、会場の雰囲気はネットと全然違って和気あいあいとしていたので、今ネットの反応を見ても『バカだなぁ』としか思いませんね」と、今回の騒動を振り返った。

 今回の小松の行動に対して、ネット上の意見と「テイフェス2015」に参加したファンの間には大きなズレがあるよう。『ゼスティリア』への批判が先鋭化する中で、「テイフェス2015」での出来事が大きく取り沙汰され、新たな批判の火種とされているのが現状だ。ともあれ、こうした悲劇はゲーム自体がファンを満足させる出来であれば起こらなかったはず。今回の「テイフェス2015」で発表された新作『テイルズ オブ ベルセリア』が同じ轍を踏まないよう、面白いゲームを届けてくれることに期待したい。

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