【プレゼントあり】新作ゲーム発売記念!? 不遇の“『エイリアン』×セガ”の歴史を、ジャンクハンター吉田が紐解く

■ヒストリー・オブ・エイリアン by セガ

 ゲームの内容に関して、面白い面白くないといった感想を開発に関わっている筆者が語ってしまうとステマ扱いな騒ぎになりかねませんので、それはさておき……セガは本作含め、過去から現在まで『エイリアン』の映画原作を取得して作ったタイトルが合計5本もあるのです。

150611_alien_1.jpgアーケード用にリリースされた『エイリアン3:ザ・ガン』プレイ画面

 まず、映画『エイリアン3』公開の翌年、93年に『エイリアン3:ザ・ガン』をアーケード用にリリース。2人同時プレイ可能なガン・シューティングで、日本国内でも展開されていました。

150611_alien_4.jpg10年2月にリリース『エイリアンvsプレデター』

 それから13年の年月が経過した06年12月、突如セガは20世紀フォックス映画からエイリアン・フランチャイズでゲーム化の権利を取得したと発表します。複数本のタイトルの開発へ着手するとアナウンスがあり、10年2月に『エイリアンvsプレデター』をリリース。これがおそろしくゴア描写【註:残虐な表現】満載の作品になっており、一部の国では発売禁止措置が取られるほど。売れるタイトルなのは間違いなかったことから、日本でも修正してリリースが可能かどうか試みるも修正箇所が多すぎてローカライズ作業は困難を極め、結局あきらめることに。ゲームデザインは、エイリアン、プレデター、海兵隊員からプレイヤーキャラを選択できたFPS【註:一人称視点のシューティング】。プレデターの脊髄引っこ抜きゴア描写が最大の問題点でした……。

 実は『エイリアン vs プレデター』の後に発売を予定していた作品がありました。それは『エイリアン RPG』です。しかし、09年6月に開発中止とのアナウンスが発表されます。『エイリアン RPG』は『フォールアウト:ニューベガス』を作っていた開発会社が担当していましたが、「セガ側からはなんのアイデアもなくノープランでオファーしてきていることから全然話が進まず、最終的に物別れした」とのことで、日の目を見ずにお蔵入りしてしまいました。

150611_alien_3.jpgニンテンドーDSソフト『エイリアン:インフェステーション』

 11年9月には、ニンテンドーDSで『エイリアン:インフェステーション』がリリース。ゴア描写も特になく、日本でリリースされてもおかしくなかったのですが……この時点でニンテンドーDSの役目は終焉に近づいていたこともあり、断腸の思いで国内未発売へと。『エイリアン2』をフィーチャーした良質アクションゲームで、今遊んでも決して色褪せないのに、非常に残念でたまりません。本タイトルの意味は「エイリアン襲来」。エイリアンの襲撃から生き残った者たちが、迎撃をしながら倒していくお話です。


150611_alien_5.jpg 2013年2月リリース『エイリアン:コロニアル・マリーンズ』

 13年2月には『エイリアン:コロニアル・マリーンズ』が大々的なプロモーション予算を使ってリリース。しかし、これは“とても騙された感が強いゲーム”として、セガが取り扱ってきた多くの映画原作ゲーム群の中でも、大変黒歴史な汚点を残しました。マスコミ向けデモや開発中のプレイアブル状態だったゲームデザインやグラフィックが、発売されたバージョンで大きく劣化。アメリカ・カリフォルニア州ではユーザーたちが立ち上がり集団訴訟にまで発展するなど――問題は開発会社にありましたが、それをパブリッシュしたセガにも責任があるとして、海外では大炎上した事件に……。パワーローダーに乗ってのバトルもあっけなく、少ししか実装してなかったりとか、今にして思えば残念な部分だらけでした。しかし、シナリオはなかなか良くできており、ゲームデザインは『エイリアン2』直後の物語として、プレイヤーが海兵隊の兵士となって戦闘するFPSです。マイケル・ビーン演ずるヒックス伍長も登場したりと(『エイリアン3』で死んでしまった設定は完全無視)、世界観に関しては頑張っていたんですけどねぇ……。特にゴア描写も激しいわけではありませんでしたので、日本国内リリースも可能だったかもしれませんが、セガ社内で協議した結果、発売は見送られることになりました。

 そして、セガから発売されてきた不遇のエイリアン・フランチャイズも、今回の『エイリアン アイソレーション』で最後です。海外では14年10月にリリースされ、発売前からホラー要素を前面に打ち出すべく、本作をプレイするユーザーが悲鳴を上げる動画をインターネットで公開してバズらせたりと、『エイリアン:コロニアル・マリーンズ』とはまったく異なった、少々地味なプロモーション展開。しかし、『エイリアン』=激しい銃撃戦の固定観念を覆す“究極のハイド&シーク(かくれんぼ)ゲーム”として発売直前からマスコミの間で高評価を得て、ローンチのタイミングでは一気にクチコミ効果も広がり大ヒットしました。数々の賞も受賞し、ゴア描写もさほど多くないことから、海外での発売直後に今回の日本国内でのリリースが決定したのです。

 セガとしては、一人称視点のアクション・アドベンチャーなゲームデザインの没入感、映画的演出が多いことも考慮し、本作の開発チームへ筆者が参加することになりました。自称・シネマゲーム研究家なるいかがわしい肩書も強かったのかもしれませんが……ね。そんな『エイリアン アイソレーション』、ぜひ一度楽しんでみてください。
(文/ジャンクハンター吉田)

■『ALIEN: ISOLATION -エイリアン アイソレーション-』
【ジャンル】 SFサバイバルホラー
【対応機種】 PlayStation4/Xbox One
【発売日】 2015年6月11日
【発売・販売】 株式会社セガ
【希望小売価格】
PlayStation4版
パッケージ版、DL版 共に7990円(税別)
Xbox One版
パッケージ版 7990円(税別)
DL版 7980円(税別)

【公式サイト】
http://alienisolation.sega.jp/

■今回はPlayStation4版『エイリアン アイソレーション』を“2名様”にプレゼント!
【応募期間は2015年6月18日(木)まで】
※本作は「18歳以上のみ対象の商品」となっているため、18歳未満の方はご応募できません。予めご承知ください。

【プレゼントあり】新作ゲーム発売記念!? 不遇の“『エイリアン』×セガ”の歴史を、ジャンクハンター吉田が紐解くのページです。おたぽるは、騒動・話題SFゲームその他の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!

- -

人気記事ランキング

XLサイズ……
XLサイズって想像できないだけど!!