「戦うトレンディドラマ」について熱弁!声優・白石稔やMONOBRIGHT・出口らが語り尽くした“特撮愛”イベントレポ

2015.06.17

『出口博之のロック特撮 番外編』最終回の様子。写真右から、MONOBRIGHTベーシスト・出口博之、声優・白石稔、タレント・ぱいぱいでか美、しらべぇ主筆・タカハシマコト。

 6月1日(月)、渋谷の東京354CLUBにて、ロックバンド・MONOBRIGHTのベーシスト、出口博之による特撮USTREAM番組『出口博之のロック特撮 番外編』の最終回公開収録が行われた。

「バンド界きっての特撮マニア」と呼ばれるほどの特撮好きである出口は、現在ニュースサイトしらべぇにて、特撮愛のほとばしるコラム「出口博之のロック特撮」を連載している。このUSTREAM番組は、タイトル通りその番外編という位置づけ。レギュラーコメンテーターとしてしらべぇの主筆・タカハシマコトを迎え、毎回さまざまなテーマでゲストとともに特撮の魅力を掘り下げてきた。

 最終回となる第6回のテーマは「目指せ特撮女子!? 素晴らしき特撮の世界」。ゲストは、アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』の谷口役などで知られる声優の白石稔、そしてタレントのぱいぱいでか美。大の特撮好きである白石に対し、ぱいぱいでか美のほうはまったくの初心者。自分たちを「特撮めんどくさいおじさん」と称する出口と白石が、それぞれの“推し作品”でぱいぱいでか美とタカハシマコト相手に、特撮の魅力を熱くプレゼンした。

駆け足ながら、『ゴジラ』の歴史をプレゼンする出口。

 会場は大入りで熱気充分。客入り中は、DJとしての活動も豊富な出口・白石によるBack to Back【左右それぞれのターンテーブルで交互に曲をかけ合う】が行われ、出口は怪獣ソングを、白石はスーパー戦隊ソングを次々に繰り出していた。20年来の“特撮女子”である筆者も、「恐怖の町」や「大戦隊ゴーグルV」、「シークレット カクレンジャー」がかかると、番組が始まる前からテンションMAX。

 まず、先攻の出口は『ゴジラ』シリーズをPR。デアゴスティーニ・ジャパンの特別協力により、過去の貴重な写真資料やフィギュアを存分に使い、1954年の初代『ゴジラ』から続く長い歴史の要点を語った。日本を代表する特撮作品とも言える作品だけに、話題は盛りだくさん。また、途中でゴジラの純金フィギュアの“レプリカ”が登場して会場が湧く場面も。

手書きのフリップで『鳥人戦隊ジェットマン』の愛憎劇を熱弁する白石。

 一方の白石は、『スーパー戦隊』シリーズから『五星戦隊ダイレンジャー』(1993)と『鳥人戦隊ジェットマン』(1991)の二本を取り上げた。スーパー戦隊シリーズ15周年作品である『五星戦隊ダイレンジャー』は、固定のリーダーが存在しない、完全中立の第三勢力(しかし暴力は辞さない)が登場する、最後まで悪が滅びない、などシリーズの“お約束”のいくつかをあえて外しているところが特徴。

 そして『鳥人戦隊ジェットマン』のほうは、なんといってもその濃厚すぎる人間関係が見どころだ。ブラックがホワイトに、ホワイトがレッドに、レッドは元恋人である敵幹部(記憶喪失でレッドのことは覚えていない)にそれぞれ熱を上げているという複雑な設定について、手描きの人物相関図を使って白石が熱弁すると、「これって子ども向け番組ですよね(笑)!?」と、ぱいぱいでか美も大ウケだった。

 プレゼン後、出口が「どちらから特撮を観たくなりましたか」と質問すると、ぱいぱいでか美とタカハシマコト、二人ともが『スーパー戦隊』に挙手。やはり「戦うトレンディドラマ」のインパクトは強かったようである。

勝負は白石に軍配!

 今回が惜しまれての最終回――ということになってはいるのだが、「ぜひとも地獄の底から蘇りたいです」と出口。タカハシマコトも、「ロケ地に行くのとかいいかもね」と“復活編”への充分な意欲を見せた。

 番組が始まる直前、出口氏に番組全6回を振り返っての感想を聞くことができた。

「やってよかったと思ってます。Twitterのハッシュタグで皆さんが盛り上がってくれたり、『今からDVD借りてきます』なんて反応をもらったりすると嬉しくて。バンダイの方に自分の考えた特撮グッズ企画をプレゼンするなんて機会も、この番組をやっていなかったらなかったでしょうし」

 ベーシストとしては、スーパー戦隊や仮面ライダーの主題歌を手がける野望なんかもあったりするのでは? と尋ねると、「一年間自分の曲を聞かなきゃいけなくなっちゃうのはちょっと(笑)。そこは楽しむ側でいたいんです。でもいつか出演はしてみたいですね。できれば敵側で。僕、ヒーローに倒される役がやりたいんですよ!」とのこと。これだけ特撮を愛する出口氏なら、きっと見事な倒されっぷりを披露してくれるのでは!?

 会場だけでなく、Twitterのハッシュタグ「#ロック特撮」でもたくさんの盛り上がりが見られた。筆者は話を聞くのに夢中すぎて何もつぶやけなかったのだが(1987年生まれにとって、平成ゴジラやダイレンジャーやジェットマンはドンピシャすぎるのである!)、きっと“復活編”があると信じて次を楽しみに待とう。
(取材・文/小池みき)

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