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「伯爵が誘うBL短歌の世界」第2回

死者を悼む歌「挽歌」を詠む……生きる、季節を感じる短歌の話

2015.06.06

 ということで、アートサロンについてもご紹介しますね。名前は「サロン・ドゥ・螺」といいます。場所は都心のど真ん中、大阪市中央区淡路町2-5-8、船場ビルディングの314号室です。

 1925(大正14)年に竣工なので、今年でちょうど90歳を迎えたレトロなビルヂングなんですよ。ファサード(外観)は大正時代のものにしてはあっさりしたゴシック調(アール・デコを加味)なのですが、内部がすごくて、スペインの僧院を思わせるような回廊の巡るパティオになっています。そのパティオはビルの中でありながら路地のような素敵な空間になっていて、日本離れした、異世界に迷い込んだ感覚にさせられるほどなのです。各階の廻廊を巡るとアール・ヌーヴォー様式のステンドグラスや鉄とガラスの庇など、19世紀末のパリかヴィーンを思わせる、静謐な美しさに満ちています。

 その314号室は、2012年にカリスマ左官職人久住有生氏が手掛けたガウディ建築をモチーフとする異次元空間さながらの素敵な部屋で、そこをアートとカルチャーの発信拠点として活用しようと、サロン・ドゥ・螺を立ち上げたのです。

 ほぼ週1回の「船場短歌サロン」を始め、月1回の古楽コンサート(バロック時代の楽器でバロック音楽を演奏します)、連続トーク企画「猫を愛した芸術家たち」、それにほぼ週1回の紅茶講座などなど、盛りだくさんのイベントを開催しますので、ぜひ遊びにきて下さいね。

斷髮のモガ闊歩せる頃思ふステンドグラスの廻廊に佇ち
立ち襟にボウタイ締めて衿付のチョッキに時計鎖光らす
廻廊の手すりは深き綠にて初夏の陽射しに鈍く光れり

 今月の短歌サロンは、10日、15日、24日、28日、30日を予定しています。時間は14時~16時(28日のみ16時半~18時)、参加費は2000円(添削料含む)です。短歌をテーマにざっくばらんに話し合い、作品が出ている場合はその批評と希望の方には添削も致します。勿論作品を出さなくても参加できます。自作短歌の添削を希望される方は前日までに<comte@ra-spiral.jp>までメールで提出願います(十首以内)。遠方の方は添削のみでも受け付けますよ。

 そのほか、サロン・ドゥ・螺のイベントは<http://ra-spiral.jp/>でご確認ください。「北夙川不可止プロデュース~サロン・ドゥ・螺・古楽シリーズvol.2」は、19日19時からヴィオラ・ダ・ガンバの巨匠西村喜子さんのソロコンサート(限定25席・料金一般3000円、学生2000円・予約優先)となっています。

 では、読者の皆さんから投稿された力作のBL憑依短歌の作品の添削コーナーです。最初にも関わらず、力作が集まりました。

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