――昨今の声優人気に伴い、気がつけば声優専門誌も定期・不定期を合わせて10誌以上が刊行されている。そんな“声優誌 群雄割拠”の時代にあって、各誌はどのような記事・企画をとりあげているのだろうか? 主要な声優誌を中心に、目玉記事や気になる企画などを紹介しつつ、各誌の特徴を分析していく――
■「声優アニメディア」2015年6月号
出版社…学研パブリッシング
発売日…5月9日(毎月10日発売)※日曜日の場合は前日発売
価格……1204円+税
創刊……2004年
「声優アニメディア」6月号の表紙&巻頭特集はアニメ『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVEレボリューションズ』より、蒼井翔太、下野紘、谷山紀章の3名。一方、裏表紙&巻末特集は、先月号の予告通り2号続けてTrySail(麻倉もも、雨宮天、夏川椎菜)が登場だ。
先月号のTrySailの特集は、ユニット結成時や1stシングルの表題曲「Youthful Dreamer」に関する話題が中心だったが、今号ではMVやカップリング曲について。正直なところ、2号に分けるほどの内容ではなかったような気も……。さらに、来月号からはTrySailの新連載がスタートするとのことで、いずれにしても「声アニ」が寄せる期待感の大きさがうかがえた。
さて、続いてはTrySailの所属事務所であるミュージックレインの先輩ユニット、スフィア(寿美菜子、高垣彩陽、戸松遥、豊崎愛生)の長寿連載「スフィアの千里の道も四歩から」の話題。72回目を迎えた今号は、4人でお花見を開催していたのだが、実は今回のお花見は、彼女たちのWEBラジオ番組『Pl@net Sphere』の企画であり、「声アニ」編集部はその収録に同行した格好である(この日のラジオ収録は、4月1日配信回で放送済み)。
お花見では、4人がそれぞれ自作弁当を用意。寿は「自家製パンのサンドイッチ」、高垣は「海苔巻き(※料理下手で有名な“あやひー”は、母親との合作とのこと)」、戸松は「野菜の豚肉巻き」……など、それぞれ美味しそうではあるが、いずれも一品料理。そんななか、圧倒的な女子力を見せつけたのが「スフィアの料理担当(戸松談)」こと豊崎だった。
前日に軽く仕込み、当日朝に完成させたという豊崎は、なんと重箱ふたつを持参。三種のおにぎり、卵焼き、唐揚げ……など、定番メニューを押さえたラインナップのほか、花見に合わせて桜型のクッキーまで! 彩りもさることながら「メンバーの好みも考えながらつくった」という心づかいに唸らされました。
スフィアの4人は、同連載以外にも各自の冠連載を持っているが、せっかくなので今回は高垣彩陽の「あやひとり旅 ~ちょこっと社会県学~」を紹介しよう。この連載は、ひとり旅が趣味という高垣が、各都道府県の名産品やおすすめスポットを紹介するコーナーで、基本的には都内のアンテナショップや郷土料理屋での撮影が中心だ。
そんな「あやひとり旅」も今号で47回目を迎え、めでたく完走!……と思いきや、実はまだ45県目。というのも、東京を前後編に分けたのと、彼女の「第二の故郷」である富山を二度も紹介しているからだ。高垣と富山の縁はアニメ『true tears』がきっかけで、富山県南砺市を舞台とする同作を通じ、強い愛着を抱くようになった……というのは有名な話(しかも、のちに彼女は制作スタッフらとともに南砺市観光大使に任命されている)。放送終了から7年が経過した現在も、ブログでは富山や南砺の話題が触れられており、彼女の律儀さや人柄が伝わってくる。
なお「あやひとり旅」では、彼女得意のダジャレが炸裂するのも恒例で、「滋賀県」の紹介で「近江牛」を堪能した今号は「滋賀には近江う“しが(滋賀)”沢山いるよ。“お~う見(近江)”てみたい!!」とのこと……お見事! 完走まであと2県(千葉、神奈川)となったが、ラストスパートに向けて、彼女のダジャレにも大いに期待したいところだ。
(文/神楽坂隆)
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