“放射性物質”をめぐる『寄生獣 完結編』騒動 批判の矛先はやっぱり“原作改変”に…

1505_kiseijyu.jpg映画寄生獣 完結編公式サイトより。

 4月25日から公開されている映画『寄生獣 完結編』で、原作マンガ『寄生獣』(講談社)の“改変”が話題となっている。

 映画『寄生獣 完結編』は、山崎貴監督による人気マンガの実写映画化作品。岩明均による原作マンガ自体、ストーリーの疾走感やメッセージ性の高さから熱狂的なファンも多い。実写映画は二部構成で、昨年11月に公開された第一部『寄生獣』は150万人を動員、現在公開中の『寄生獣 完結編』も公開二日間で20万人以上を動員するなど、ヒットを飛ばしている。

 現在ネット上で注目を集めているのは、原作マンガで“有害化学物質”だった部分を、実写映画では“放射性物質”に改変したこと。この改変を受け、あるネットユーザーが、劇中での“放射性物質”の扱いに疑問を呈し、別バージョンの作成を提言(http://www.twitlonger.com/show/n_1sm76rq)。侃々諤々の事態となった。発端のツイートは8000回以上共有され、『BLEACH』(集英社)で知られるマンガ家・久保帯人も自身のTwitterアカウントでリツイート。同調するように、「SF作品としては致命的な認識間違い」「デリケートな問題だから、やるならちゃんと調べて作れよ」と、製作者の“放射性物質”に対する認識を問う声が多く上がり、真摯な提言として受け入れられているよう。

 また、ネットでは“マンガ原作の実写映画化”への批判も噴出している。今回の騒動を受けて、「スタッフの意向で名作を改変するなよ」「監督の自己主張はいらない」など、“作品の改変”自体に反対する声が巻き起こると、一方で「人間の業には勝てないという原作のテーマ通り」「リメイクで現在の時事問題にフォーカスしてるだけ」「今の時代に映画化する意味はここだろう」など、今回の改変を支持する意見や、「原作厨は何しても文句言うだろ」「名作は映画化で改変されるものなんだよ」と、達観した声も。当初の論点を外れ、“原作改変の是非”をめぐる議論が白熱している。

 もはやおなじみとなった実写映画化に対する批判。原作に“パラサイト”する作品も多い中、今回の実写版『寄生獣』は「よく前後編にまとめ上げた」と評価も高い。今回の動きがどのような展開を見せるのか。注目が集まる。

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『明烏』の予告で見た”ヒダリー”が面白かった。

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