マンガ家の顔出し出演にも期待!? 「週刊少年ジャンプ」電子版「ジャンプ+」アンケートに見る展望

2015.05.18

――発行部数約242万部(一般社団法人 日本雑誌協会発表)を誇る最強の少年マンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)。そんな「ジャンプ」の最新情報をさまざまな角度からレビュー!

週刊少年ジャンプ公式サイトより。

「週刊少年ジャンプ」(以下、「ジャンプ」)2015年25号の表紙と巻頭カラーは、新連載第2弾の『レディ・ジャスティス』だ。本作は、元となる読み切り『レディ・ジャスティス 人生最悪の日』が増刊号「少年ジャンプ NEXT!!」2014年 vol.1に掲載。満を持しての連載開始となった。女性ヒーローものの本作、作者コメントでは「DC、マーベル関係無くアメコミネタとして読んでください」とするなど、アメコミの影響が見られる。奇しくも「ジャンプ」連載中の『僕のヒーローアカデミア』も、“アメコミを意識したヒーローマンガ”。ヒーローマンガ同士の戦いにも注目だ。

 今号の掲載順位は『レディ・ジャスティス』を先頭に、『ONE PIECE』『ブラッククローバー』『背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~』『暗殺教室』『ハイキュー!!』『僕のヒーローアカデミア』……と並ぶ。前号まで2号連続センタ―カラーだった『ブラッククローバー』はいまだ人気の高さを見せつける。反面、『磯部磯兵衛物語~浮世は辛いよ~』を除いた最後尾の掲載は、『BLEACH』となった。

 今号の注目は、8カ月突破記念として大々的に実施されている、電子版「少年ジャンプ+」の読者アンケート。「ジャンプ+」連載マンガの感想のほか、“アプリを開く頻度”や“スマホやタブレットでの課金”など、このアンケートの質問は多岐にわたっている。その中から、気になったものをいくつかピックアップしてみよう。

 まずは、「ジャンプ+」で“今後配信してほしいコンテンツ”というアンケート。「ジャンプ作品のスピンオフ漫画」のほか、「他誌作家による新作漫画」「新鋭WEB作家による新作漫画」など、本誌「ジャンプ」とは違った作家起用を伺わせる項目も。ほかにも、「ジャンプ作家が出演する動画コンテンツ」「ジャンプ作家のインタビュー記事」など、マンガ家自身をタレント的に売り出す企画も視野に入れているようだ。アンケートいかんではあろうが、今後の新企画が気になるところだ。

 また、“使っているアプリ”に関する質問も興味深い。同項目には「LINE」や「Twitter」「YouTube」といったサービス・アプリのほか、集英社のアプリ、「ジャンプ」作品のゲームアプリが並ぶ。中でも注目したいのは、具体名が挙げられた他社のマンガアプリ。現在、マンガアプリは数多存在している。そんな中で、本項目に名前が挙がるアプリは、多かれ少なかれ「ジャンプ」が意識しているものといえそう。主なものでは、IT企業が主導して多くのユーザーを獲得した「マンガボックス」「comico」、小学館による「MangaOne」、講談社の男性向けマンガ誌の単行本を扱う「少年マガジンコミックス」、マンガ誌と紐付いた「Dモーニング」が並ぶ。

 改めて、現在のマンガアプリを見てみると、“マンガ雑誌配信”“オリジナルマンガ連載”“単行本販売”、さらに“投稿サービス”をひとつのアプリ内で完結させているのは「ジャンプ+」くらい。いよいよ出揃った感のあるマンガアプリだが、「ジャンプ+」はかつての本誌発行部数のごとく、驚異のDL数を叩き出せるか? 今回のアンケートの先にある、「ジャンプ+」の展開に期待がかかる。

(雑誌やマンガ作品に関して、言及のない限り、版元は集英社。文中、敬称略)

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