90年代のポップスシーンで一躍脚光を集めたイギリスのバンド・ジャミロクワイだが、有名なあの“例の部屋”と共にゲームになったということで話題を呼んでいる。
■“例の部屋”でソファをかわすゲーム
1996年に大ヒットした、ジャミロクワイの『ヴァーチャル・インサニティ(Virtual Insanity)』。ボーカルのジェイ・ケイが床が動く不思議な部屋の中で踊りながら唄っているミュージックビデオも大いに話題になったことは、当時を知っている向きならご存知の通りだ。
あの不思議な“例の部屋”では、動く床と共に黒い革製のどっしりしたソファが次々に近づいてくるのだが、それを唄いながら小気味良くヒョイヒョイとかわすジェイ・ケイの軽妙洒脱なパフォーマンスを覚えている人も多いのではないだろうか。そして先頃「Buncho Games」がリリースした『Jamiroquai Game』がまさに“例の部屋”を舞台に、近づいてくるソファを避けまくるゲームなのだ。
さっそくプレイしてみるとこれが激ムズ……。スタート直後はまさに元楽曲を彷彿とさせるBGMで気分が盛り上がるものの、ほんの10秒もたたないうちにソファがどんどん部屋の中に現れてはうごめきまわりまさに交通渋滞。これを避け続けるのは至難の業だ。もって15秒くらいというところだろうか。少しでも接触すればもちろん、ジェイ・ケイ(風主人公)は即死! ソファに当たってKOされた主人公の、全身の力が抜けきったダラけた倒れ方には見ているこちらも脱力してしまう……(苦笑)。
この『Jamiroquai Game』は現在のところWindows版しかないが、デベロッパーのサイトや「Game Jolt」から無料でダウンロードできる。話のネタにプレイしてもよいだろう。
■インディーズならではの“あほげー”ジャンル
Buncho Games(旧、Lamecube)からはこの他にも奇妙で愉快なゲームがいろいろとリリースされている。
『Head Sword Ninja』はその名の通り、頭に刀を装着した忍者が腕組み姿勢のまま身体を動かして、宙に浮かぶスイカを真っ二つに切り裂きまくるゲームだ。いわゆる「QWOP」と呼ばれる“激ムズ”ゲームで、ほとんどまともに操作ができず、プレイしているうちに何かの苦行なのかとすら思えてきてしまうゲームだが、この“もどかしさ”が一部の間で支持を受けている(!?)ようだ。
このほかにも、HTML5やFLASHで動くシンプルなゲームの数々もデベロッパーのサイトにはアップされている。同社はさまざまなゲームジャムイベントにも参加していて、 24時間でお題に沿った“あほらしいゲーム”を作り上げる「あほげー」への参加をはじめ、48時間で出題されたテーマのゲームを作るイベント「Ludum Dare」にも参加している。最も最近の「Ludum Dare 32」では、この『Head Sword Ninja』が1人で制作するCompoクラスのHumor部門で6位に輝いたとのことである。
前回、英・ロンドンのデベロッパー「Bossa Studios」をとりあげた記事(参照)でもインディーズゲームの可能性に触れたが、無料のブラウザゲームやゲームアプリなどをカジュアルに楽しめる環境が整ってきている中、今回の『Jamiroquai Game』や『Head Sword Ninja』などのアイディア勝負の面白いインディーズゲームは国境を越えてすぐに注目を浴びることから、日本のデベロッパーにもじゅうぶん勝機があるといえるだろう。自由闊達なアイディアで魅了するインディーズゲームの世界、今後もどんな作品が登場するのか楽しみである。
(文/仲田しんじ)
【参考】
・Mirror
http://www.mirror.co.uk/usvsth3m/someones-made-hilariously-odd-video-5664220
ほか
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