音信不通が業界内でも話題に…“夜逃げ”騒動のイメージエポック、つい破産手続きへ

2015.05.13

イメージエポック社が手がけていた『STELLA GLOW(ステラ グロウ)』公式サイトより(現在は閲覧不可)。同作は6月に株式会社セガゲームスから発売されることに。

 今月13日、PlayStation Portable用ソフト『最後の約束の物語』など、数々のゲームタイトルで知られるゲーム会社・イメージエポックと関連会社のスマイルオンラインゲームが破産手続き開始決定を受け、話題となっている。

 帝国データバンクの大型倒産速報によれば、同社は2011年9月期に年収入高で約17億5100万円を計上したものの、2013年9月期の年収入高は約4億1000万円にまで減少。2014年11月までには実質的な活動を停止していたとしている。

 イメージエポックは、代表取締役の御影良衛氏のキャラクターも相まって、ユーザーからの注目を集めてきた企業だ。活動停止前の2014年には「週刊ファミ通」(KADOKAWA エンターブレイン)10月23日発売号にて、創業10周年記念タイトル『STELLA GLOW(ステラ グロウ)』を開発中であると報じられ、大いに期待を集めていた。

 そんな同社に活動停止のウワサが起こったのは、今年1月。「イメージエポックが飛んだ」「御影氏が飛んだ」という話が、ゲーム業界のあちこちで囁かれるようになっていたのだ。時を同じくして、転職情報サイトには、元社員と名乗る人物が書き込んだ「2014年には、社内開発ラインが2本→1本となっていった」「優秀な人はさっさと転職し、開発能力が著しく下がってしまった」という真偽不明の情報が流れることに。

 4月にはゲーム開発会社・アイディアファクトリーの佐藤嘉晃代表が、御影氏と連絡が取れないとして、自身のTwitter上で異例の呼びかけをして注目されたが、実際には、1月頃から関係者も御影氏と連絡が取れない状態となっていた。業界内では「北海道で裏社会に匿われている」「長崎で漁師をやっている」など、御影氏の動向に関して、さまざまな噂が流れるほどであった。

 こうした情報を得た筆者は、1月に御影氏に宛てて取材依頼のメールを送付。しかし、まったく返事はなかった。そればかりか、本社所在地となっているオフィスが不動産情報サイトに「入居者募集中」として登録されるまでになっていたのである。6月から入居可能だという不動産屋の話を聞き、2月に同オフィスを尋ねてみると、そこはすでにもぬけの殻であった。ドアにはカギがかかり、宅急便の不在通知が挟まったままになっていたのである。

 この際の記事(参照)は多くの読者の注目を集め、改めてイメージエポックがさまざまな意味で話題性のある会社だということを実感した。

 苦労人としても知られる御影氏。この倒産をバネに、復活してくれることを願ってやまない。
(取材・文/昼間 たかし)

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