全員ハミ出すモ! 

ゆるめるモ! ワンマン大舞台を正面突破! ツアーファイナル赤坂ブリッツ公演ライブレポ

2015.05.12

 ニューウェーブにパンクにヒップホップ……と、そのサウンドもごった煮なら、メンバーも“個性”のごった煮。そんな濃厚な魅力で、東京のライブアイドル界の個性派ゾーンを引っ張ってきたゆるめるモ! の初となる東名阪ツアー、『東名阪だよ! 全員ハミ出すモ! ツアー』のファイナル公演・赤坂ブリッツ公演が5月2日に行われた。昨年超満員札止めで成功した恵比寿リキッドルームでのワンマンを経て大きく成長した彼女たちにとって、今年前半の大一番となる公演だ。

 デビュー以来、ここまで常に前のめりに、かつ地道に一歩一歩前進してきたゆるめるモ! にとって、赤坂ブリッツという会場は高い壁だったが、メンバーの必死のプロモーションの結果もあり、この日はチケット1200枚がソールドアウト。その観客は、都内のほかのアイドル現場に比べて女性やカラフルなコスプレの人が多く、彼女たちがいかに、独自の道を開拓してきたかがうかがい知れるものだった。

 開演時間、爆音のXTC『Science Fiction』をバックに、バンドメンバー、そしてゆるめるモ!メンバーが登場。会場では無数のサイリウムが花を咲かせる中、「ツアーファイナル始まるよー!」の声と共に、会場中をレーザー光線が駆け巡る。と、同時に、『manual of 東京 girl 現代史』の浮遊感ある前奏が流れ出す。前回のワンマンタイトル『リキッドルーモ! 号で行く、2014年宇宙の旅』を越える宇宙的な空間で、『ゆるめるモ! 赤坂ブリッツ公演』という新たな旅が始まる。

 今回は、最初からバンド編成ということで『manual of 東京 girl 現代史か』ら『ゆるめるモん』『難』と続く曲から伝わってくる、浮遊感やキレのいいギター、リズム隊の生み出すグルーヴはいつも以上。元曲はチープなパンクサウンドの『ゆるめるモん』も、いつものトラックとは色を変えた、ドライヴ感に満ちたサウンドに圧倒される。そんなバンド編成ならではの生まれ変わった曲たちに一瞬たりとも耳を逃せない。

 しかし、何より驚かされるのが、前回のリキッドルームでの初ワンマンと比べて見ても、バンドに対してメンバーのステージングが負けてない、張り合っているということ。その後のMCでも、しふぉんが「リキッドに比べてワタシたちの歌、聴けるようになったと思いません?」と笑顔で語っていたが、実際ボイストレーニングも取り入れたと言い、さらには、ダンスの勢いが最後まで落ちないよう、体力面での努力もうかがえた。何より、アイドル・バンド系問わず、幅広いジャンルのライブに出続けた自信が垣間見える。

編集部オススメ記事

注目のインタビュー記事

人気記事ランキング