「ジャンプ+」台頭の証左か? 「週刊少年ジャンプ」打ち切りマンガ、完結編の行方

――発行部数約242万部(一般社団法人 日本雑誌協会発表)を誇る最強の少年マンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)。そんな「ジャンプ」の最新情報をさまざまな角度からレビュー!

1505_jump24.jpg週刊少年ジャンプ公式サイトより。

「週刊少年ジャンプ」(以下、「ジャンプ」)2015年24号の表紙と巻頭カラーは、新連載3本の嚆矢となる『背すじをピン!と~鹿高競技ダンス部へようこそ~』(以下、『背すじをピン!と』)。作者の横田卓馬は、小説のコミカライズ『戦闘破壊学園ダンゲロス』(原作:架神恭介/講談社)の連載を今年4月に終えたばかり。もともと、横田は05年頃より、YOKO名義で『痴漢男』『オナニーマスター黒沢』のマンガ版などを自身のウェブサイトで執筆し、注目を集めていた。『オナニーマスター黒沢』の原作が『キャッチャー・イン・ザ・トイレット!』(双葉社)として刊行された際には、同書のイラストを手がけている。11年より始まった前出『戦闘破壊学園ダンゲロス』の連載と並行して、他社での読み切りや、「ジャンプ」においても、12年に3話連続集中連載となる『こがねいろ』などを掲載。すでに多くのファンを抱える気鋭のマンガ家だ。連載前からの期待度も高く、満を持しての新連載となった。

 今号の掲載順位は『背すじをピン!と』以下、『ONE PIECE』『暗殺教室』『NARUTO-ナルト-外伝 七代目火影と緋色の花つ月』『食戟のソーマ』『ブラッククローバー』『ハイキュー!!』……と続く。アニメ化作品が並ぶ中、2号連続センターカラーの『ブラッククローバー』が好位置に据わる。一方で、新連載と入れ替わるかたちで、『学糾法廷』『改造人間ロギイ』が「ジャンプ」での連載を終了。『改造人間ロギイ』の作者・三木有は、作者コメントで「当たって砕けました―!」と、率直な言葉と共に謝辞を綴る。今後の活躍に期待したい。

 一方の『学糾法廷』は、「ジャンプ」電子版の「ジャンプ+」にて完結編が5月末公開予定。今号の注目は、こうした「ジャンプ」と「ジャンプ+」の“補完関係”だ。

 これまで「ジャンプ」マンガの完結編やスピンオフは、増刊「ジャンプNEXT!!」(旧「赤マルジャンプ」)の担ってきた部分が大きい。「ジャンプNEXT!!」では、近年、『ぬらりひょんの孫』や『magico』『クロス・マネジ』などの完結編、『べるぜバブ 番外編』や現在も連載中の『黒子のバスケ EXTRA GAME』といったスピンオフを掲載。また、「ジャンプ」連載作の『SOUL CATCHER(S)』が14年より異例の連載移籍となるなど、「ジャンプNEXT!!」が本誌での終了マンガをすくい上げる役割を如実に果たしていた。ところが、今回の『学糾法廷』では、完結編は「ジャンプ+」での掲載。また、先日には、今夏より前出『SOUL CATCHER(S)』も「ジャンプ+」へ移籍連載となることが発表された。

「ジャンプNEXT!!」では新人作家読み切りを多く掲載しているが、すでに「ジャンプ」はネット上でマンガ投稿サービス「少年ジャンプルーキー」を展開。毎月実施されているマンガ賞「月間ルーキー賞」で賞を獲得すれば、「ジャンプ+」ほか、「ジャンプ」本誌での掲載権も与えられる。「ジャンプ+」はすでに同賞受賞作の掲載が散見され、“新人発掘”機能を果たしているともいえる。増刊号の既存の役割が「ジャンプ+」に移行する中で、「ジャンプNEXT!!」がどのような方向性を見出すのか――注目したい。
(雑誌やマンガ作品に関して、言及のない限り、版元は集英社。文中、敬称略)

戦闘破壊学園ダンゲロス(1) (ヤンマガKCスペシャル)

戦闘破壊学園ダンゲロス(1) (ヤンマガKCスペシャル)

“ジャンプ感想”でもおなじみの原作者。

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