さくら学院 2015年度〜転入式〜 in 恵比寿ザ・ガーデンホール 徹底レポート

転入生6人を迎えて12人になった“母船”、さくら学院。彼女たちの果てしない航海と、新たな挑戦とは?

■新・生徒会長の任命と、新たな“船出”の道標とは?

150508_sakuragakuin_112人になったさくら学院。

 ここから、生徒会長などの任命が始まる。トーク委員長に任命されたのは、白井。杉崎寧々、野津に続いて3代目になる。倉本校長は先ほどの購買部について、「一人で仕切っていたのに感心した!」と絶賛。元・父兄という個性を生かして、お客さんの気持ちがわかるという意味でも活躍が楽しみだ。大賀が任命されたのは、初めて耳にする「教育委員長」。「なになに? どういうこと?」と戸惑う大賀。教育係として新設された役割について「人のことを教えると、だんだん自分のことも学んでいく。さくら学院には伝統というものがあるじゃないですか。先頭に立って伝承する役割、できるか?」と倉本校長が尋ねると、大賀から「できます!」と心強い宣言が。

 そしてついに生徒会長の発表。磯野が任命される。「いろいろと悩みましたが、心配なところもたくさんありますが」と倉本校長が激励し、キリッとした表情で「ありがとうございます」と呟く磯野に、客席の父兄から「頑張れー!」という歓声と、大きな拍手が。「私は今さくら学院の中で一番長く活動しているメンバーで、初代の会長の背中も見てきたので、今までの伝統も大切にしながら、また新しい歴史を積み重ねていきたいと思います」と、凛々しく堂々とした様子で宣言する磯野。会場は大歓声に包まれ、新しい生徒会長の誕生を祝福している。少し感極まった様子が伺える磯野に、倉本校長が「こんな会長いないから、そのぶんのびしろがある」と早くも期待を寄せる。

 それぞれが任命されたことについて、今後の展望を語る。白井はトーク委員長について、同じ購買部だった野津について「たくさんのことを学びました。トークを回すことの難しさとか、たくさん学びました」と、落ち着いた様子で野津から学んだことを生かしていくよう告げる。大賀は教育委員長について、自分が小6だった頃の気持ちを思い出して転入生たちにダンス、礼儀を教えていくことを約束する。「まだ不安なところもたくさんあるかも知れないけど、後輩たちを指導して、卒業した後に2016、2017年度のさくら学院も素敵だなって思ってもらえるように頑張ります」と宣言。大賀はメンバーに顔を向けて「今までは優しかったけど、厳しくするときは厳しくするから、みんなよろしくね!」と、一気にお姉さんの表情になって伝える。

 先生が「これだけ笑いの絶えない生徒総会は初めてなので、楽しみです」と2015年度のさくら学院についてまとめ、後は磯野に委ねる。

 倉本校長と森先生が去り、さくら学院の12人がステージに。磯野が「私たち3人は見ての通り不安だらけだと思うんですけど、この3人を中心に頑張りたいと思います。よろしくお願いします!」と告げ、「ベリシュビッッ」へ。

 転入生の藤平が一番好きな曲に乗せて、新たな生徒会長、教員委員長、トーク委員長が見せる笑顔はライブ冒頭とはまた違うものに見えた。責任感を背負うと、少女たちはこんなにも大人になるのか。覚悟を決めると、少女たちはこんなにもかっこいいものか。決してかわいいだけじゃ済まされない。それを父兄に、多くの人たちに見せるための努力の日々の始まりを告げるパフォーマンス。これから彼女たちの“成長”を目の当たりにするのが楽しみで仕方ない。

 白井が「次の曲でラストになりました。この曲は、初代から大切に歌い続けてきた曲です」と曲紹介。最後は「夢に向かって」。曲間で山出が「2015年度、この12人で最高のさくら学院を作っていきます。よろしくお願いします!」と告げる。ピンク色のフラッグが一斉に振りかざされ、まるで海のようになる。そこを新生・さくら学院が泳いでいけるように、たくさんの旗が彼女たちのさまざまな挑戦と新たな旅を歓迎している。

 センターに大賀、その右に白井、左に磯野。武藤彩未、堀内まり菜、水野と続いたバトンは今、大賀の手に渡った。そこで歌詞の通り「キラメキ放ち 最高の」ウインクが炸裂する。

「2015年度、この12人で新しいさくら学院の色を作っていきたいです。2015年度も、よろしくお願いします!」

 磯野が宣言し、客席に手を振りながらステージを去っていく12人。最後、ステージ脇に一人残って深々とお辞儀する磯野が印象的だった。誠実に、丁寧に、心を込めて頭を下げる姿から新・生徒会長としての責任感が漂い、覚悟が伺える。

 数多くの先輩の背中を見て育ってきた磯野がリーダーになる、さくら学院2015年度が本格的に幕を開けた。未来を託された新・中等部3年の3人の表情から歴代の卒業生も面影がたくさん伺え、伝統を重んじるさくら学院の個性が最大限に発揮されていた。

 湿っぽい瞬間なんて一切ない。ただひたすら楽しくて面白さに徹する『転入式』が終わった。一気にお姉さんになった在校生と、キラキラと輝いている転入生。その姿を見ていると、2014年度卒業式での森先生的に言うと“感情ミルクレープ”はベロンベロンになってしまう。それを丁寧に一枚一枚剥がしながら大切に味わうことは、水野某先輩からすでに学んでいる。

 来年3月、そのミルクレープが磯野、白井、大賀にとって最後の一枚になる頃、さくら学院は一体どんな味をしているのだろうか。6人が舵を取り、新たな6人が空高く羽ばたいていく。“船出”の道標は、磯野の深々としたお辞儀が示している。そんな“母船”さくら学院の新たな一年が楽しみで仕方ない!
(取材・文/竹内 道宏)

《セットリスト》
01、School days
02、顔笑れ!!
03、Hello! IVY
04、FLY AWAY
05、オトメゴコロ。
〜転入式〜
06、負けるな!青春ヒザコゾウ
07、FRIENDS

アンコール
〜生徒総会〜
08、ベリシュビッッ
09、夢に向かって

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竹内 道宏(a.k.a. たけうちんぐ)ライター/映像作家
様々な媒体で音楽系、映画系、体験系の執筆をしている。監督・脚本を務めた映画『世界の終わりのいずこねこ』がイタリアのウディネ・ファーイースト映画祭に正式出品が決定。今年度から京都造形芸術大学・映画学科の非常勤講師を務める。また、神聖かまってちゃん等の映像カメラマンとして約600本に及ぶライブ映像をYouTubeにアップロードする活動を行なっている。
2013年2月以来、BABYMETALに心を奪われてしまいました。命ある限り彼女たちの活動を追いかけます!
たけうちんぐダイアリー(ブログ)→http://takeuching.blogspot.jp
ツイッター→https://twitter.com/takeuching

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