「ただの業務妨害」といった非難も…『サイレントヒル』や『テイルズ』をめぐって、盛り上がる“ゲーム関連の署名活動”

2015.05.08

「Change.org」内のキャンペーンContinue working on Silent Hillsページより。

 現在、インターネット上の署名サイト「Change.org」にて、ゲーム『サイレントヒル』新作の開発再開を求める署名や、「テイルズ オブ」シリーズのプロデューサーの解任を求める署名が行われるなど、ゲームに関する署名活動が注目を集めている。

「Change.org」は、嘆願を目的とした署名活動サイト。署名活動の内容は司法や人権、環境問題など公的なものがほとんどであるが、ネット上で気軽に署名できることからか、ゲーム関連の署名も多く行われている。中でも、先ごろ報道された『サイレントヒル』新作の開発中止を受けて海外のファンが開始した、小島プロダクション(「Kojima and Del Toro」表記)に対する『サイレントヒル』新作の開発継続を求める嘆願は現在12万を超える署名が集まっており、注目度も高い。

 海外では、「Change.org」でのゲーム関連の嘆願が報われた例もある。2013年の『Grand Theft Auto V』(以下、『GTA5』)のPCプラットフォームでの発売を求める嘆願は72万を超える多数の署名が集まり、その後、『GTA5』はPCプラットフォームで発売されることに。また、2014年には故ロビン・ウィリアムス氏の『World of Warcraft』への出演を希望する署名は1万人あまりと比較的少数ながら、ゲームを開発するBlizzardからの追悼コメントと共に、ユーザーの願いが実現することになった。

 一方、現在、「テイルズ オブ」シリーズのプロデューサー・馬場英雄氏のゲーム制作からの解任を求める署名活動(外部参照)も話題に。この活動は、「テイルズ オブ」シリーズ最新作『テイルズ オブ ゼスティリア』の内容やDLCの販売方法の不満に始まり、馬場氏のユーザーに対する発言や対応が不誠実であったことを理由に同氏の解任を嘆願するものだが、これにはネット上から否定的な意見が多く上がっている。

「意思表示することに意義がある」「情報の拡散には一役買っている」「テイルズファンの熱心さは伝わった」と一定の評価をする声も散見されるが、「感情のまま行動するよりも、客観性を持たせろよ」「冷静さと公平さを欠いた行動は逆効果」「ただの業務妨害」と、特定の個人を糾弾するような署名活動を非難する意見が大半を占める。

 近年、クラウドファンディングといった出資方法が活用されたり、ゲーム実況が盛り上がりを見せるなど、ゲーム業界における“ゲームユーザーの存在感”は強まっている。こうした署名活動は、海外の事例のようにユーザーの声を届ける“道具”となる一方、一歩間違えれば“武器”にもなってしまうことを自覚すべきだろう。

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