電撃コミックなどのクオリティにも影響が……!?

早期退職者の多くはオタク部門のベテランたちか!? KADOKAWAの人材流出がもたらす功罪とは?

2015.05.17

KADOKAWA公式HPより

 去る4月23日、KADOKAWA・DWANGOは、子会社であるKADOKAWAが実施した希望退職に232人の応募があったことを発表し、話題となった。当初は、300人程度の募集を想定し、3月2日から4月10日までに実施したという。

 その対象者となったのは、「3月末時点で満41歳以上、勤続5年以上の社員」。早期退職に応募した社員たちは、4月末をもって、同社を退職した。

 しかし、早期退職者を“募集”しておきながら、現場からはこんな声が聞こえてきた。

「今、KADOKAWAの悩みは、“人材流出”なんです。優秀な人たちの退職が止まらないんです。そこに来て、先日の早期退職ですからね(苦笑)。ベテラン編集者たちにこぞって抜けられてしまっては、先行き不安です」(関係者A氏)

 さらに、別の関係者B氏はこう漏らす。

「実は、今回の早期退職制度を利用して辞めたのは、アスキー・メディアワークス、メディアファクトリー、エンターブレイン、富士見書房など、2013年に吸収合併した版元からの社員が多かった。というのも、角川書店からの社員にはもともと退職金制度がありましたが、アスキーやエンターブレインなどにはそうした制度がなかったんです。そのため、ここぞとばかりにごっそり抜けたのは、それらの版元から来たベテランたちばかりだったんですよ(苦笑)」

 KADOKAWAの“オタク部門”は、吸収合併された多くの版元によっても支えられてきた。そこで長年戦ってきたベテランたちが去った今、果たしてどんな変化が起きるのか。同社の動向は、まだまだ注目を集めることとなりそうだ。
(編集部)

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