ゲーム『スカイリム』 公式での“改造ファイル”販売に批判殺到で、即時終了! ユーザーからは賛否

1504_steammod.jpg「Steam」内のThe Elder Scrolls V: Skyrimページより。

 今月28日、ゲームプラットフォーム「Steam」を運営するValveと、アメリカのゲーム会社であるベセスダ・ソフトワークス(以下、ベセスダ)は、同社が提供する『The Elder Scrolls V: Skyrim』(以下、スカイリム)のMOD有料販売サービスを終了し、すでに購入したユーザーには返金する旨のアナウンスを行った。今月24日に開始された『スカイリム』のMODの有料販売だが、一週間ともたずに終了することとなってしまった。

「MOD」とは、ゲームに対してユーザーが行う一種の“改造”のことである。例えば、既存のテクスチャの変更、ゲーム内での新しい武器や魔法の追加から、新規クエストやキャラクター、大規模なものになると新たなステージまで追加するものもある。また、単に新規要素の追加だけでなく、中には「シューティングゲームをホラーゲームにする」といった、ゲームシステムそのものを改変するMODも存在する。

 日本では“ゲームの改造”というと、お金や経験値など、ゲーム内のステータスを改変する“チート”をイメージすることが多いかもしれないが、主に海外のPCゲームでは、MODはユーザーによる二次創作的な意味合いが強く、オリジナルのゲームをリスペクトしつつも、ユーザー同士によるMODの公開が活発に行われてきた経緯がある。

 かつては“ユーザーによる改造”は違法に近いグレーゾーンであったが、『Quake』や『Unreal』など、90年代後半からメーカー側がMODを公認するゲームが登場すると、ユーザーのアイデアを表現し、ユーザー同士の交流を可能にする“MOD文化”が、PCゲームの楽しみ方として認められてきた。近年でも、『マインクラフト』や『スカイリム』、『ダイイングライト』といったゲームのように、公式がMODの作成を手助けし、推奨することも当たり前になりつつある。魅力のあるゲームであればあるほど多種多様なMODが作られることとなり、MODの存在自体がゲーム購入のきっかけとなりうることを、メーカーも認識するようになったのだ。

 こうした背景から、今回の『スカイリム』のMOD有料販売には多くの批判の声が上がることに。有料配布も存在するものの、MODの大半は有志による無償配布で、自由な風土とされてきた。そこへ、流通を担う「Steam」やソフトメーカーが、有料でのMOD販売を始めたのだ。この介入に、“MOD文化”に親しんできたファンは大きく反発。あまりの批判に、冒頭で述べたように、販売から4日程度でMODの有料販売は中止、購入ユーザーへの返金が行われることとなった。ベセスダは「MODの有料化はユーザーが望むものではなかった」もので、「ユーザーの声を受けてのフィードバック」として、有料販売を中止したことを表明している。なお、MOD有料販売に対しては、MOD製作者に報酬が与えられることを歓迎する声もあったが、MOD製作者には利益の25%しか 還元されないということで「製作者にいく金額が少なすぎる」との意見も多く言われていた。

 今回の騒動を受けて、ネット上では「ベセスダは何を考えてたんだ」「ユーザーに混乱をもたらしただけだった」など、一連の対応を非難する声が目立った。一方、「ベセスダはよく失敗を認めて撤回したな」「日本だと拝金主義で継続する」と、ユーザーの声に対するスピーディーなリアクションに一定の評価を下す声も。そのほか、「コミュニティを考えると、寄付の形が最適」「(今回の即時的な対応は)開発とコミュニティの距離の近さを表している」「MOD開発者にはお金がいってもいいと思う」など、海外のゲーム文化についての議論のきっかけともなったようだ。

 近年「Steam」の台頭によって、PCゲームはより身近なものとなった。コンシューマ機の文化が色濃く残る日本でも、これからPCゲームユーザーがますます増えることが予想されている。PCゲーム文化はまだ発展途上とはいえ、課金に次ぐ課金でユーザーが一方的に搾取されるのではなく、開発者とともに新しい文化を形成しようとする姿勢こそが、PCゲーム界の一番の魅力ではないだろうか。

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