新作『サイレントヒル』開発中止に国内外から落胆の声

2015.04.29

今月29日にPlayStation Storeでの配信予定期間が終了となるP.T.公式サイトより。

 今月27日、『サイレントヒル』シリーズの新作が開発中止になったことを、コナミが海外ゲームメディア「Kotaku」に伝えたことが明らかとなった。『サイレントヒル』新作については今月25日、ギレルモ・デル・トロ監督がそのキャンセルを示唆したことが先立って報じられていたが、コナミからの正式な発表で裏付けられたかたちとなり、新作を期待していた世界中のファンから悲しみの声があがっている。

『サイレントヒル』はコナミ発のホラーゲームであり、2006年、2012年には映画化もされるほど世界中にファンを持つ人気ゲームシリーズだ。2014年8月にはPS4向けに配信されたゲーム『P.T.』が「怖すぎる謎のゲーム」として話題となったが、その後『P.T.』が『サイレントヒル』シリーズ新作のティザー広告の一環であることが明かされた。制作にはコナミの看板クリエイターである『メタルギア』シリーズの小島秀夫監督と映画『パシフィック・リム』などで知られるギレルモ・デル・トロ監督が携わっていることが明かされており、ファンはその完成を心待ちにしていた。

 しかしながら、今年3月には小島監督のコナミ退社の噂などが海外メディアによって報道された。コナミはその噂を否定したものの、社内制度の変更により小島プロダクションがなくなったことは認めており、『メタルギア』シリーズとともに『サイレントヒル』新作の行く末が注目されていた。

 そんな中、今月25日にサンフランシスコで行われた映画祭において、ギレルモ・デル・トロ監督が『サイレントヒル』新作がキャンセルされた旨について示唆。その後、27日に開発中止がコナミからの正式発表として報じられると、ファンによる悲しみの声が世界中に広がることとなった。コナミは『サイレントヒル』シリーズ自体の制作は今後も行うようではあるが、ファンにとっては小島監督とギレルモ・デル・トロ監督による新作ではないことが大きなショックとなっているようだ。

 海外のファンからは「『P.T.』はマジでよかった。あの雰囲気で本編をやりたかったのに」「コナミの小島に対するひどい仕打ちを聞いた時に、俺は『MGS5』以降の小島作品がキャンセルされると思ってたよ。その最初の犠牲者が『サイレントヒル』ってことだな」「『MGS5』がコナミの最後のゲームだ。コナミのタイトルは終わった。『サイレントヒル』『ゾーンオブエンダーズ』『悪魔城』『魂斗羅』、みんな死んだんだ」と、『サイレントヒル』新作が遊べないことに悲嘆する声が多く上がっていた。

 また日本のファンからも「小島作品は金と時間がかかりすぎたのか」「コナミはもうコンシューマーは撤退なのかね」といった声もあがり、「やってくれたなコナミ。最悪だ」といった怒りを隠せない海外ファンと同様に、コナミへの批判も多く聞かれた。その一方で「小島は他の会社で作れよ。『P.T.』は素晴らしかった」「小島とデル・トロがいつかまた作ってくれるのを期待している」と諦めきれないファンが世界中にいることが確認できた。

 ファンにとっては寝耳に水であった今回の『サイレントヒル』新作の開発中止のニュース。“怖すぎる体験版”である『P.T.』も本日4月29日で配信停止になり、新作を楽しみにしていたファンには、ゲームそのものよりも戦慄することになってしまったようだ。

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