“コスプレがあるから生きられる”!?  NHKのコスプレ特集が“重すぎる”と話題に

2015.04.23

『ドキュメント72時間』公式サイトより。

 4月17日(22日再放送)、『ドキュメント72時間』(NHK)が「コスプレ専用ビル 彼女たちの夢の城」として、コスプレイヤーたちのドキュメンタリーを放送した。この放送に対しネットからは「内容が重すぎる」という声が上がっている。

 番組は東京都・江東区にあるコスプレ専用スタジオ「Booty東京」に3日間張り付き、そこを訪れるコスプレイヤーたちを取材。『ラブライブ!』や『ハイキュー!!』『進撃の巨人』といった作品のキャラに扮するレイヤーたちが登場し、レイヤーによってはメイク風景も放送された。ほかにもネット上で知り合ったというレイヤー同士が交流している様子や、スタジオ内で名刺交換をする様子、また64歳のコスプレのカメラマン(カメコ)歴15年の男性の話など、コスプレのリアルな世界が垣間見られた。

 番組では、「キャラになるため、自分を消したい」とメイク時に眉毛をほとんどカットする20歳の女性レイヤーや、引っ込み思案な性格をコスプレによって克服できたと語る26歳の女性レイヤー、さらには亡くなった恋人を想い、その恋人が好きだった作品のコスプレもするという40歳の女性レイヤーを重点的に取材していた。番組中には“既存の価値観から開放され自由になる”“ファンタジーの世界を求める女性は増え続けている”“この世界があるから生きられる”などのテロップ、ナレーションが入り、視聴者の捉え方によっては、「心に闇を抱えている人が現実逃避のためにコスプレに走っている」ように見えなくもない。ネットでも、「すべてのコスプレイヤーが現実逃避のためにコスプレをしているわけではない」「わたしの周りは結構楽観的に楽しんでいる人もいる」と、番組の見せ方に難色を示す声が散見された。

 都内で活動する女性コスプレイヤーに番組の感想を聞いてみると、「番組で目立っていた『コスプレによって変われた』という部分は、私も同じなので共感できます。しかし、3日間だけの取材で集めた情報で、『これがコスプレイヤーのステレオタイプだ』と、視聴者には思ってほしくないですね。コスプレをしている人がみな、オタクとは限らないし、心に闇を抱えているわけでもないので」と話してくれた。

 番組に対しては「コスプレを茶化したりしている内容ではなかった」「コスプレイヤーたちのリアルにかなり迫っていた」と、肯定的な意見も上がっている。コスプレの世界から現実に戻った彼/彼女たちの“素顔”はさまざまということか……。

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