20~30代女子が「りぼん」に夢中! 60周年を迎えた「りぼん」が大人を狙い撃ち

2015.04.17

「なかよし」(講談社)、「ちゃお」(小学館)と並ぶ“三大少女マンガ雑誌”のひとつである「りぼん」(集英社)。同誌はこれまで『ときめきトゥナイト』や『ちびまる子ちゃん』、『神風怪盗ジャンヌ』などの数々の人気作を輩出しているが、最近の「りぼん」では“懐古”が目立っている。

「りぼん」2015年4月号に『天使なんかじゃない』、5月号では『ご近所物語』の書き下ろしポストカードが付録に。それぞれ1991~1994年(『天使なんかじゃない』)、1995~1997年(『ご近所物語』)にマンガ家・矢沢あいが「りぼん」で連載していた人気作だ。2号ともに本誌中では、矢沢あいのインタビューページが掲載されている。この2作はどちらも90年代の作品で、現在の「りぼん」読者にはあまり馴染みのない作品のはず。今、「りぼん」が懐古しているのは今年で創刊60周年を迎えるからだ。

 前出の矢沢あい書き下ろしのポストカード付録も「60周年スペシャル企画」のひとつ。ほかにもさまざまな企画が展開されている。5月発売の6月号でも同誌の60周年を記念して、椎名あゆみの『ベイビィ★LOVE』(1995~1999年連載)が『ベイビィ★LOVE -10 years after-』として読みきりで復活する予定だ。ほかにも2015年1月号から「60周年記念 伝説作家エッセイ」として『グッドモーニング・コール』(1997~2002年連載)の高須賀由枝や、『リップスティック・グラフィティ』(1981~1982年連載)の小椋冬美などといった作家のエッセイが掲載されている。また、60周年記念とは打ち出していないが、かつて同誌で連載していた『めだかの学校』(1996~2005年連載)も2015年1月号より『めだかの学校 2限目!』として新しく連載がスタートしている。

 加えて、本誌を飛び出してさまざまな60周年企画を行っている「りぼん」。『ご近所物語』、『ママレード・ボーイ』(1992~1995年連載)、『赤ずきんチャチャ』(1992~2000年連載)のガシャポンが発売されていたり、5月には『ときめきトゥナイト』(1982~1994年連載)、『パッション・ガールズ』(1994~1996年連載)といった人気作をグッズ化した一番くじ「りぼん60周年 一番くじV りぼんっ子メモリアル~りぼん60th Anniversary~」が発売される予定。舞台化が決まった『こどものおもちゃ』(1994~1998年連載)は8月に公演を控えている。また、7月24日に「りぼん」の付録を一冊にまとめた『りぼんの付録 全部カタログ ~少女漫画誌60年の歴史~』(集英社)も発売予定。先日にも『姫ちゃんのリボン』(1990~1994年連載)、『天使なんかじゃない』『赤ずきんチャチャ』のぬいぐるみの発売が決定した。

 作品のラインナップを見てわかるように、「りぼん」が60周年企画として打ち出しているものは、“20~30代の女性”に向けられているものが多い。実際、『りぼんの付録 全部カタログ ~少女漫画誌60年の歴史~』では『有閑倶楽部』(1981年から不定期連載)の作者・一条ゆかりと『ママレード・ボーイ』の作者・吉住渉のインタビューが掲載されることになっている。このような「りぼん」の展開にネットでは「昔のりぼんっ子にはたまらない」「完璧に大人を狙い撃ちしている」といった歓喜の声が上がっている状態だ。

「『りぼん』の“懐古”に、ネットではかつてのりぼんっ子たちの『懐かしい!』といった声がかなり上がっています。このようなグッズ展開は同じく今年60周年を迎えた「なかよし」でも見られますが、本誌でここまで大々的な企画を展開しているのは「りぼん」だけ。かつてのりぼんっ子にとっては連載20周年を迎えた『HIGH SCORE』や、連載15年目の『アニマル横丁』が未だに連載が続いているのもうれしいですよね。これからも『りぼん』の展開には注目していきたいです」(20代の元「りぼん」読者の女性)

 今後もかつての読者がよろこびそうな企画が続きそうな「りぼん」。これからも“大人りぼんっ子”は「りぼん」から目が離せそうにない。

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