蟹めんまの「お茶の間デスマッチ!プロレスDVD観戦録」【第4回】

狂乱の中に希望があり、流血の果てに絆があった――『大日大戦’09 番外編 伊東竜二VS葛西純』

2015.04.16

――いまプロレスがアツい!……というのは、大してプロレスに興味がない人でも、なんとなく肌で感じるところではないだろうか。その人気を牽引しているのは新規参入してきた“プロレス女子”たち。マッチョ萌えにキャラ萌え、選手同士の関係萌えと、リングの上も外もプロレスは萌えの宝庫なのだ。そんな“泥沼”に見事にハマった新米プヲタのマンガ家・蟹めんまがプロレスDVDを観倒します!

【解説コラム】
 かつて大仁田厚らの存在により、有刺鉄線や画鋲、ラダー(はしご)、蛍光灯などといった多彩な武器が登場する試合形式を広く世に知られた「デスマッチ」。現在起こっている“プロレスブーム”の中で、メディアにおいて取り上げられることはやや少なめではあるが、流血に次ぐ流血の中で生まれるドラマは、今もファンを惹きつけている。大日本プロレスは、日本におけるデスマッチ団体の草分けであり、インディープロレス団体の草分けでもある。

 その大日本プロレスに98年に入団して以来、デスマッチファイターとして躍動し続ける男が、葛西純(40)だ(最近では、俳優の染谷将太が『しゃべくり007』出演時に葛西のファンであることを明かし、モノマネまで披露していた)。そして、そのほぼ同期(わずかに後輩)であり、02年の葛西退団後(現在は「FREEDOMS」所属)、その穴を埋める存在として大日本のリングを守ってきた男、伊東竜二(39)。互いに30代中盤となり、重ねてきた戦いで満身創痍の男二人が、09年、宿命の対決を果たした。煽りVTRから当の試合内容、その後のマイクパフォーマンスまで、デスマッチの真髄を詰め込んだような内容の濃い1戦となり、この年のプロレス大賞ベストバウトを受賞。デスマッチが同賞を受賞するのは、実に19年ぶりのことだった。

【DVD紹介】
大日大戦’09 番外編 伊東竜二VS葛西純 11.20後楽園ホール大会
販売元/neoplus

【作者プロフィール】
蟹めんま(かにめんま)
マンガ家。10代から現在に至るまでのバンギャルライフを綴った『バンギャルちゃんの日常』(エンターブレイン/KADOKAWA)が3巻まで刊行中。プロレスにはハマって約1年、推しの選手は飯伏幸太、ケニー・オメガ。新日本プロレスの「プロレスに“萌える”女子増加計画<もえプロ♥女子部>」<http://www.njpw.co.jp/moepro/>に参加中。

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