“宇宙”を描いてきたガイナックスの最新作『放課後のプレアデス』 宇宙ミュージアム「TeNQ」で実施中の企画展を訪問

150406_tenq_6『放課後のプレアデス』も展示されている企画展「『宇宙』のえがき手」
150406_tenq_5「パノビューワー」。「AnimeJapan 2015」にも来てました。

 そんなバラエティに富んだ展示の中、今回『放課後のプレアデス』が展示されているのは企画展示室。2月28日から開催中の企画展「『宇宙』のえがき手」の入り口には『放課後のプレアデス』主人公・すばる役の高森奈津美さんはじめメインキャスト6人の声優さんのサインが飾られ、ケース内には原画も展示。企画展内部では、古今東西の人々が想い描いてきた宇宙観や宇宙の姿を絵画や写真で紹介している。ほかにも少人数用ドームスクリーンで、専用メガネにより宇宙の立体シミュレーション映像を見ることができる「パノビューワー」や、透過式ドームディスプレイなどの動画展示がある。この動画も単なるイメージ映像ではなく、最新のコンピュータ・シミュレーションを国立天文台の4次元デジタル宇宙プロジェクト(4D2Uプロジェクト)によって可視化したもの。そう言われると、本来なら無限にも思える時間をかけて起きる銀河の衝突動画から、荘厳なロマンの香りが漂ってくるような……。

 今回の展示について、「TeNQ」の支配人・株式会社東京ドーム宇宙ミュージアム部の水野哲樹さんにお話を聞いた。元々は『放課後のプレアデス』が国立天文台の4次元デジタル宇宙プロジェクト(4D2Uプロジェクト)に、取材や監修の制作協力をしてもらっており、同じ宇宙を扱うTeNQと何かコラボできるのではないか、ということから話が始まったという。ガイナックスのある三鷹には国立天文台もあり、そもそもこのあたりの地元つながりからの宇宙リンクなのだろう。今回の「『宇宙』のえがき手」企画については、元々参考に見た『天地明察』(※1)の劇中のセリフで「どこまで行っても手が届かぬのか」という言葉に、インスピレーションが湧いたそうだ。手は届かなくとも想いが宇宙に向かっていたり、新しいジャンルで宇宙をえがき出す「シミュレーション天文学」という分野が「手→えがき手」というキーワードにつながったという。

 ほかにも室内には宇宙飛行を題材にしたデヴィッド・ボウイの歌詞や万葉集、岡本かの子と、ジャンルを超えて宇宙に関する印象的な言葉が散りばめられ、時々眼に飛び込んでくる。こうした中で『放課後のプレアデス』も紹介されており、同じく4次元デジタル宇宙プロジェクトで描かれたシミュレーション映像を参考に、宇宙を描くことにこだわった本作の先行カットなどが展示されている。さらにこれらのカットも随時アップデートされるという。

 展示の最後は以前からあるコミュニケーションボードだが、参加者が自由に星を描く「宇宙をえがこう」のコーナーとなっている。つまり自分たちも「えがき手」となって宇宙を描くのだ。取材時は、企画展の開催初日から1週間もたっていなかったが、さまざまな宇宙の星の姿が描かれている。中には明らかに「こっち側」の人もいるみたいだが、多くは子供たちで、人気の「ジ●ニャン」を描いていた(笑) 

150406_tenq_4床には『放課後のプレアデス』の魔法陣も。

 こうして通して見ると今回の企画展、ビジュアルだけではなくて「想いえがいてきた」という部分を伝えたかったので、展示を通してかなりストーリー性を持たせてあるとのこと。「想いえがいてきた人たち」の系譜に『放課後のプレアデス』があり、参加者もそれに連なるというのはちょっとグッとくる。やっぱり宇宙にはロマンがないとね!

 さて、あなたはどんな星のえがき手になる?
(取材・文/三木茂)

※1 天地明察 冲方丁原作の時代小説。江戸時代に実在した囲碁棋士で天文暦学者だった渋川春海の、生涯をかけた改暦(暦の改訂)作業を描く。V6の岡田准一主演で2012年に実写映画化。コミック版は「月刊アフタヌーン」(講談社)で連載中。

■宇宙ミュージアム TeNQ(テンキュー)
http://www.tokyo-dome.co.jp/tenq/

■第3回企画展「『宇宙』のえがき手」
http://www.tokyo-dome.co.jp/tenq/exhibition/3/

■放課後のプレアデス
http://sbr-gx.jp/

■国立天文台4次元デジタル宇宙プロジェクト(4D2U Project, NAOJ)
http://4d2u.nao.ac.jp/

【おまけ】

150406_tenq_11宇宙にまつわるグッズも飾ってある。一見、宇宙と関係なさそうなものも実は…。
150406_tenq_1照明もUFO型で可愛い。
150406_tenq_10超小型衛星「WNISAT-1」の実物大模型も。これはこれで“萌える”!

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