姫乃たまの耳の痛い話 第24回

月30万円で「事務所所属タレントが愛人」のステータスを手に入れた38歳素人童貞の悲哀

2015.04.05

――地下アイドルの“深海”で隙間産業を営む姫乃たまが、ちょっと“耳の痛〜い”業界事情をレポートします。

コスプレ、楽しいんですよ? 今回はちょっと長めです。

 みなさんに夢を与えるわけではなく、地下アイドルは“付き合える”可能性が高い職業だと思います。より愛されることが仕事のため、“有名になりたい”願望と“愛されたい”という気持ちが混乱しやすいのです。

 もちろん、すべての子がそうであるとは限りませんし、それ以前に、アイドルに手を染めるのが簡単な子ほど、足を洗うのは大変なようです……。

 いまから7年ほど前、関西に38歳の素人童貞がいました。「趣味は仕事」というほど、仕事に打ち込んでおり、このまま人生を終えるか……と思われていたのですが、30代も後半に差し掛かったところで、思いがけず会社が軌道に乗りすぎ、成金になったのです。銀行の口座残高はカウンターが狂ったかのように、見たことのない数字になりました。

「一生安泰」を確信した彼は、落ち着いて自分を見つめ直し、「女性経験のなさが男としての自信のなさに繋がっているのではないか」と考えました。いままで趣味のなかった彼ですが、一念発起し、ファンとの距離感が近いと噂のアイドルがいるライブハウスへ足を運んでみたのです。

 しかし、どうにも会場の雰囲気が肌に合わず、「コスプレをしている女の子のほうが“よい”のでは」と思い、カメラを購入して、コスプレイベントへ通うようになりました。「よい」という曖昧な言葉の中には、「ちやほやされたいけれど、容姿にコンプレックスを抱えている子なら落としやすいかも」という考えがありました。

 イベントに通って、撮影した女の子に写真を送り、反応のよかった子が参加するイベントには再び足を運ぶ……ということを繰り返すうちに、ひとりの女の子を見つけました。彼女は女子大の1年生で、「容姿はお世辞にも……」でしたが、巨乳だったため少数のカメラマンから可愛がられていたそうです。

 下心満載で彼女が参加するイベントにはすべて通い、毎回派手にプレゼントをしているうち、お金がある人と認識されたのか、わずか3カ月ほどで月額制の愛人契約を結ぶことになりました。「衣装を作ってイベントへ参加するとお金がかかって生活費が圧迫されるので、月に15万円ほど援助してほしい」と相談されたのです。彼は倍額の30万円を毎月渡すことにしました。彼にとっては、落としても気がつかないような金額です。38歳、素人童貞からの卒業でした。

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