「4万人でキャパは限界」市長もあけすけに話した!? 正念場の「京都国際マンガ・アニメフェア」開催発表記者会見

■フランス「Japan Expo」への出展の効果は――不明?

 今回の会見中、京都市が何度も繰り返したのは、今年も7月にパリで開催される大規模イベント「Japan Expo」に、昨年から引き続いて出展してアピールを行うということ。

 14年の実績を見ると、「京まふ」全体の来場者数4万567人に対して、「外国籍」の来場者は1072人(13年は800人)。微増となった海外からの来場者だが、これは「Japan Expo」の効果によるものか? その点を尋ねてみると、門川市長は「分析はしていませんが……アピールはできたと思います」と率直な回答を返してくれた。

 さらにもうひとつ気になるのは、京都に地盤を置く有名アニメーション制作企業・京都アニメーションが、過去3年間「京まふ」には一切参加していないこと。京都アニメーションは、昨年、隣接する奈良県で行われた「奈良アニメメディア祭」に絡んで、同社が手がけるアニメ『境界の彼方』とのタイアップイベント「燈花会の彼方」に協力している。しかし、「京まふ」に参加する様子は見えず、一説には同社は京都市の絡むイベントに一切参加しない方針だという話もある。とはいえ、京都で最も有名なアニメ企業が参加しないというのも、気になるところ。この点について尋ねたところ、門川氏は次のように語る。

「自力でやるところは、自力でもっとやったほうがいい。すべての京都、あるいは関西のアニメ・マンガの関係者があそこ(「京まふ」)に集まるのは、キャパ的にも無理。自らの力でやっていけるなら、大いにやってくれればいい」(門川市長)

 最後に、発言を求められた株式会社KADOKAWAの角川会長は、多くのユーザーを魅了している企業ならではのコメントを残して、会見を終えた。

「(2015年の「京まふ」は)入場料金が1000円から1200円に上がったので、出展者はユーザーを満足させなければいけない」(角川会長)

 昨年、椿山荘を借りて行われた記者会見にやってきたマスコミの数は片手で数える程度だったが、今年は会場を日本プレスセンター内のフォーリン・プレスセンター会見室に移して、マスコミの数も増加した。海外へアピールする意図もあったようで、京都府の担当者によると、海外のマスコミとしては、中国のメディアが2社、取材に来ていたそう。

 一方で、一部の出展者からは「物販も売り上げがよくないし、参加する意味を考えている」という話も聞かれたりする。「京まふ」に限らず、「AnimeJapan 2015」など、入場料が必要な見本市イベントの多くでは物販で収益をあげられる出展は限られているという。前出のアンケートによれば、来場者の物販消費額は「3000円以下」が最も多いという結果になっている。それでも出展する価値がある、と各企業に「京まふ」の魅力をアピールする必要もあるだろう。課題も残る中、4年目を迎えて、いよいよ正念場を迎えていることだけは間違いない。
(取材・文/昼間 たかし)

■京都国際マンガ・アニメフェア2015」(京まふ)
http://www.kyomaf.jp/

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