「4万人でキャパは限界」市長もあけすけに話した!? 正念場の「京都国際マンガ・アニメフェア」開催発表記者会見

2015.04.15

「京都国際マンガ・アニメフェア」記者会見の様子。

 4月14日、京都市が行う関西で最大級のマンガ・アニメイベント「京都国際マンガ・アニメフェア」(以下、京まふ)が今年も開催されることになり、東京のフォーリン・プレスセンターで記者会見を開催した。

 記者会見には、フェアの発起人として京都市長の門川大作氏、実行委員長として松谷孝征氏(NPO法人映像産業振興機構理事長・株式会社手塚プロダクション代表取締役社長)のほか、上田修三氏(京都国際マンガミュージアム事務局長)、角川歴彦氏(株式会社KADOKAWA取締役会長)、齋藤茂氏(KYOTO CMEX実行委員会委員長、株式会社トーセ代表取締役社長)、白須正氏(京都市産業戦略監)、長谷川亘氏(京都情報大学院大学、京都コンピュータ学院統括理事長)、吉田力雄氏(一般社団法人日本動画協会副理事長・株式会社トムス・エンタテインメント上席執行役員)が出席。そして、司会として声優・女優のM・A・O(市道真央)が登壇した。

 会見の冒頭、門川・京都市長は「大好評でございます」と、「京まふ」の実績を説明。

「(開催は)3年を目処にしていたが、(3回目となる)昨年は(来場者が)4万人を越え、継続することになった。京都の伝統産業とのコラボも進んでいる」(同)

 その上で、今年からは海外への情報発信、コラボ商品の開発、他都市のイベントとの連携の3つを強化していくという展望を語った。続いて発言した手塚プロダクション代表取締役社長・松谷氏も、これまでの実績を称賛。

「年々入場者数も増えて、海外からの注目を集めている。ひょっこり4年前に京都市が『マンガ、アニメの祭りをしたい』と言った時は嬉しかった。京都がポップカルチャーをもてはやすことには、『歴史で売る京都がやる必要があるのか』など、さまざまな批判もあった。けれども、市長はやってくれた」

 その成果を誇る主催者側だが、昨年の「京都国際マンガ・アニメフェア 実績報告書」に掲載された「次回への参加について」という参加者アンケートには気になるところも。

【2014年】
参加する:41.2%
参加しない:0.9%
不明:45.8%
未回答:11.1%

【2013年】
参加する:63.7%
参加しない:1.6%
不明:33.3%
未回答:1.2%

 13年と比べて、14年には「参加する」が減少して「不明」という回答が増えたことについて質問してみたところ、門川市長に代わって「京まふ」事務局の草木大氏は「(参加の検討については)作品による部分が多いのではないか」と、参加者の増減が作品人気によっているであろうことを自ら明らかにする。同時に、想定外の好評もあってか、待機列が長時間にわたってはけなかったことも原因ではないか、と語った。

 これに続いて、門川市長からは、例年会場となっている京都最大級のイベント会場「みやこめっせ」では4万人以上となると会場のキャパシティを超過してしまうという発言も。

「今年も動員目標は4万人。これ以上はキャパ・オーバーですので、今のままでは量的に拡充は無理です。量ではなく質の向上に努めたい」(門川市長)

 待機列が長時間に及んだ理由について、会見後、京都市新産業振興室長の北村康二氏に聞いたところ、要因のひとつとして、会場の管理などを受託した大阪府の企業が予想以上の来場者数に対処できなかったことを挙げた。では、今年は委託先企業を変更か? と思いきや、「昨年の状況を踏まえ、改善点を含んだプレゼンの結果、同じ会社になりました」(北村氏)。

 4万人でキャパ・オーバーとなる中で、今後どのように運営を改善していくのかもひとつの見物となりそうだ。

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