3月28、29日の二日間。5年に一度の開催となるイベント「コミケットスペシャル6」が開催された。
定例の夏冬のコミックマーケット(以下、コミケ)とは別に開催されるコミケットスペシャルは、通常のコミケではできないことを目指したイベント。「5年間の儲けをすべて、はき出す」といわれるほど、赤字覚悟で実施されるものなのだ(「5年間の儲け」というがコミックマーケット準備会が、さほど儲かっているわけではない)。
過去、2005年には24時間耐久と称して、設営から撤収までを24時間、かつサークルは2回回し、文化祭的なノリの企画を募集して実施(会場のあちこちに寝落ちした参加者の死屍累々)。はたまた2010年には地方開催として、コミケを開催したい地方自治体を募集。結果、水戸市のデパート跡のビルを用いての開催が行われた(開催にあたって、ビルの修繕費用などで関係者がビックリ!)。
今回、「コミックマーケットスペシャル6 ~OTAKU SUMMIT2015~」と題された幕張メッセでの開催は、かつてコミケを追放した幕張メッセとの手打ち。はたまた、2020年の東京オリンピックで東京ビッグサイトが使用できない場合の布石など、さまざまな意味が込められての開催となった。
今後、東京オリンピック期間中には幕張メッセへの一時移転も濃厚なコミケ。初日のシンポジウムにも出席した熊谷俊人・千葉市長は語る。
「(幕張メッセでコミケが開催されるとなった場合、)その時には、地域をあげて同人の表現の場を盛り上げていきたいと思っています」(熊谷俊人・千葉市長)
しかし、1991年のコミケが幕張メッセから会場貸し出しを拒否され、事実上追放された事件の原因は、千葉県警がエロ同人の扱いを問題視したこと。さらに、千葉県の青少年健全育成条例では、ページの20%以上もしくは20ページ以上の性表現を含む本を自動的に有害図書にする包括指定制度を行っている。こうした状況の中で、千葉市はエロも含めて同人の表現の場としてコミケを支援する意志があるのか?
「そこは、なかなか難しいポイントだと思います。文化が進んでいく中で、そういった様相が一定程度進んでいくことは否定できません。とは、言いながら我々も公の青少年の育成を進めていく立場にありますから、表向きはなかなか言いにくいこともあるかと思いますが、そのあたりは水面下で大人の対応をしていくことだと思います。どこまで折り合っていけるかの努力は必要かと思います。私も“なんでもダメ”ではいけないと思いますよ」(前同)
なお、肝心のコミケが本当に東京オリンピック開催時に幕張メッセで開催されるか否かについては「準備会からそういうお話があればですが、そうなるように盛り上げていきたい」と言葉を選んだ。
千葉市長にも突撃! “赤字上等”5年ぶりのオタクの祭典 「コミケットスペシャル6」レポートのページです。おたぽるは、コスプレ、ギャラリー、イベント情報・レポ、マンガ&ラノベ、ホビー、コミックマーケット、黒子のバスケ、コミケットスペシャル6、市川孝一、赤池誠章の最新ニュースをファンにいち早くお届けします。オタクに“なるほど”面白いおたぽる!
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