「週刊少年ジャンプ」情報レビュー

「週刊少年ジャンプ」連載の『ニセコイ』人気投票がまたまた話題に! 是非が分かれる大量投票

2015.03.30

――発行部数約260万部(一般社団法人 日本雑誌協会発表)を誇る最強の少年マンガ誌「週刊少年ジャンプ」(集英社)。そんな「ジャンプ」の最新情報をさまざまな角度から
レビュー!

週刊少年ジャンプ公式サイトより。

「週刊少年ジャンプ」(以下、「ジャンプ」)2015年18号の表紙と巻頭カラーは、『食戟のソーマ』。本作は、今週末の4月3日よりテレビアニメが放送予定だ。既刊単行本11巻で累計600万部突破と謳われる人気作だけに、アニメにも注目だ。

 今週の掲載順は『食戟のソーマ』以降、『ONE PIECE』『僕のヒーローアカデミア』『ブラッククローバー』『暗殺教室』『トリコ』……と続く。『ブラッククローバー』は前号から急上昇したものの、前号の『改造人間ロギイ』同様、新連載作品は唐突に掲載順上位に並ぶことも散見される。この位置が実際の人気によるものかどうか、今後の動向が気になるところ。反面、前号で中盤下位に下落した『トリコ』が再び上位に浮上、浮き沈みの激しい状態となっている。

 今号では、兄弟誌「ジャンプSQ.」より『終わりのセラフ』番外編読み切りが出張掲載。本作は、2013年にも一度「ジャンプ」に登場している。『食戟のソーマ』同様、こちらも4月からテレビアニメがスタートするため、「ジャンプ」系作品の躍進に期待がかかる。

 今号の注目は、ネットで毎回話題となる『ニセコイ』の人気投票。「ジャンプ」15年2号で告知された今回の人気投票は、前二回のキャラクター人気投票から趣向を変え、第一回エピソード投票として開催された。『ニセコイ』の人気投票では、登場キャラ・橘万里花へ大量投票する「千葉県のYさん」がネット上で話題を集め、ひとつの名物となっていた。しかし、今回は投票に際して「ジャンプ」に付いてくる応募券が必須に。そのため、個人による大量投票はないかと予想されていたが、今回の人気投票においても、「千葉県のYさん」は1人で800通以上投票したと、「ジャンプ」本誌掲載の「感想戦」にて明かされている。

 こうした人気投票の大量投票については、是非が分かれることも多い。現在、連載13周年を記念して、ファンブックに関するファン投票を行っている『BLEACH』では、かつて行われた人気投票の結果発表時、ダンボール投票【ダンボールにハガキを入れて大量に投票すること、ファンたちによる組織的な投票の場合もある】を一票として計算したことを明かし、賛否両論が巻き起こった。なるべく公平な結果が出ることを喜ぶ“賛成派”と、余剰の投票が徒労となったこともあり、事前にレギュレーションをしっかりと告知しておくべきだとする“反対派”の意見で侃々諤々となったのだ。

 一方、大量に投票をしている『ニセコイ』ファンの「千葉県のYさん」は、“キャラ愛の結果”として、公式的に取り上げられるほど愛されている。人気投票はファン参加型企画として定番だが、応募総数が作品人気と結びつけて語られるなど、一種の人気のバロメーターともなっている。こうした企画を盛り上げることができるか? というのも、編集者の力量次第といえるかもしれない。

 このほか、緊急特報として、4月末発売の「ジャンプ」22・23合併号より『NARUTO-ナルト-』の外伝「七代目火影と緋色の花つ月」が短期集中連載されることが発表された。4月25日には『岸本斉史 NARUTO-ナルト-展』を開催予定。往年のファンが多い作品だけに、こちらにも注目が集まっている。
(雑誌やマンガ作品に関して、言及のない限り、版元は集英社。文中、敬称略)

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