「コミケットスペシャル6」レポート

“ラスボス”小林幸子が降臨した「コミケットスペシャル6」中夜祭! 声優・上坂すみれは『艦これ』続編にも言及

2015.03.30

「OTAKU SUMMIT SPECIAL LIVE」に登場した小林幸子。

 3月28、29日の二日間にわたって開催された、5年に一度のスペシャルイベント「コミケットスペシャル6」。開催初日28日の夜に開催された中夜祭「OTAKU SUMMIT SPECIAL LIVE」では、多数のアーティストが集結。ライブを前に、歌手の小林幸子と声優・アーティストの上坂すみれが記者団の取材に応じた。この中で、上坂は先日の最終回で続編決定も発表されたテレビアニメ『艦隊これくしょん -艦これ-』にも言及していた。

 まず、昨年夏のコミックマーケットにサークル参加し多数のファンを集めた小林幸子は、ニコニコ動画を始め、これまでの歌手生活とは違うファンが増えていることを、次のように語った。

「今は新しい世界で生きている。(ファンの方々に)歌や音楽の原点を教えてもらっていて楽しい」

 さらに言葉を続け、「本当に楽しいですよ」と新たな活動スタイルが充実していることを述べた。また、かつての『紅白歌合戦』のイメージを受けて若いファンから“ラスボス”の愛称で呼ばれていることにも触れ「みなさんが熱望してくれてありがたいです。小林幸子、ラスボス降臨で頑張ります」と述べた。

 小林に続いて、記者団の前に姿を現した上坂は「コミックマーケットは買い物に行く場所だったので、初めてライブをすると聞いて驚きました。いつもは一人で歌うことが多いのですが、今日は出演者のジャンルもバラバラ。初めて来られる方も多いので、新規開拓をして曲を楽しんでくれればな、と思います」と、緊張しながらも楽しくてたまらないことを隠さなかった。

上坂すみれ。

 各社からの質問に移り、記者団からライブの魅力を問われた上坂は「私は歌がそんなに得意なほうではないので、人と交流することに楽しみの重きを置いていて。ハイタッチしたり自分で買ったお土産を配ったりするので、一人一人の顔が見られるのが楽しみです」。さらに、ライブでは“得意なほうではない歌”で多くのファンが号泣するほど感動を共有していることに触れられると、「ほんとすみません、練習はしているんですけど、生まれながらの音痴なんです。がんばります。私は声優を目指して声優になったので、まさか歌を歌うことになるとは思わなかったんですけど……歌を上手くなりたいです!」と、将来に向けた希望を吐露した。

 記者団から、上坂が主人公の吹雪役を演じたテレビアニメ『艦隊これくしょん -艦これ-』の続編決定について触れられると、「あれは二期決定ってことでいいんですかね?」と、まだ具体的なオファーが来ていないことを匂わせた上で、次のように述べた。

「吹雪は十分に強くなったので、(二期であれば)きっとまた違う艦娘の成長話になると思うんですけど、ほかの吹雪型も演じてみたいなと思います」。

■チケットの販売枚数も杞憂で、参加者は大満足

 当日17時30分から始まったライブには、MCとして櫻井孝昌、姫崎愛未(LinQ)、そして出演者として魔法少女オーバーエイジズ、畑亜貴、少女病、angela、上坂すみれ、小林幸子らが次々と登場。サイリウムを振りながらライブを楽しむ参加者もいれば、会場ホール後方に設けられた宴会スペースにて会場で販売される各種の萌酒で宴会をして楽しむ参加者もおり、祭りの夜にふさわしい空間となった。

 トリを務めた小林は真っ赤なドレスで熱唱した後、一転白い衣装で登場。「さよならありがとう」を歌いながら舞台がせり上がり、小林が宙に舞うといっそう大きな歓声が。ラストは出演者全員による「千本桜」の合唱で幕を閉じた。スタッフは、ステージの撤収と翌日の即売会設営作業へと移っていった。

※※※※※※

 公式発表によると、中夜祭「OTAKU SUMMIT SPECIAL LIVE」参加者は2500人。実は今回の中夜祭開催にあたって、チケットが想定よりも売れていないという話があちこちで聞かれていた。ところが、前日のレセプションで、コンテンツメディアプロデューサーでもある櫻井氏に聞いてみると「そんなことないよ! 2000枚は売れているよ!」と言っており、フタを開けてみれば参加者は2500人。途中から告知が拡大されたことや、当日になり会場で中夜祭チケットを購入した参加者が多かったこと、また、当日に「OTAKU EXPO」出展者にチケットの配布が行われたことで大入りとなったようだ。

 もちろん、それでも収支は厳しいだろう。多くのコミケ関係者は「これまでコミケットスペシャルが黒字になったことは一度もない」と口を揃える。それでも開催が続くのは、あらゆる関係者がコミケットスペシャルを開催する意義を見いだしているからだ。ルーティーンな開催から離れて、さまざまなアイディアを盛り込み、これからのコミケのあり方を開拓する。それはイベントが継続するためには欠かせない作業だ。この中夜祭が収支とは別に、あらゆる参加者に無数の満足を与えたのは間違いない。
(取材・文/コミケットSP取材班)

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