緒方恵美が涙を浮かべる一幕も!? 『ミステリート』ファンの胸が熱くなった「5pb.祭り2015」レポ

『PSYCHO-PASS サイコパス 選択なき幸福』(Xbox One、5月28日発売)、『コープスパーティー Blood covered: …Repeated fear.』(3DS、今夏発売)といった5pb.の注目タイトルが一同に集まったゲームの祭典「左も右もゲームだよ!5pb.祭り2015」が、3月1日、ベルサール秋葉原で開催された。注目タイトルを試遊できることもあって、会場は多くの人々でごったがえしていたが、中でも人気声優が出演するステージイベントは段違いの盛り上がりを見せていた。

 前回の記事では『PSYCHO-PASS サイコパス 選択なき幸福』、『コープスパーティー』、5pb.のゲームには欠かせない歌姫・彩音などが姿を見せたWEBラジオ『彩音のChoco-Bana Radio』のイベントの模様をお届けしたが(記事はこちら)、今回は筆者が一番気になっていた『ミステリートF ~探偵たちのカーテンコール~』(Xbox One)のイベントを濃密にレポートしていく。

■緒方恵美の台詞量は4万ワード!その理由とは!?

1503_ogata_01.jpg緒方恵美のステージには多くの女性ファンも駆けつけた。

 前述のように、筆者が個人的に注目していたゲーム『ミステリートF ~探偵たちのカーテンコール~』のステージ。『ミステリート』とは、『この世の果てで恋を唄う少女 YU-NO』、『EVE burst error』などで知られるゲームクリエイターの故・菅野ひろゆきが11年前に発表した推理ゲーム。1作目は『ミステリート ~八十神かおるの挑戦!~』(以下、『1』)。その続編となる新作『ミステリート2 ~フェアウェル・エンカウンター~』(以下、『2』)を併せた『ミステリートF ~探偵たちのカーテンコール~』が昨年5月に制作が発表されて以来、目立った続報がないままで、ファンとしては続報を期待していたところだった。

 ステージには主人公・八十神かおるを演じる緒方恵美と東西役の川田紳司、プロデューサーの浅田誠が登場し作品への愛が語られた。

 まず語られたのはアフレコの話だったが、進捗は緒方曰く「(去年の)10月から録り始めて、週3回くらいスタジオに通って、やっと『1』が終わり、今『2』に足をかけたところ」らしい。もともと『1』から出演している声優は再録をせず【編注:女性キャラクターは声優が一新されている】、『2』から収録を始めるということだったらしいが、八十神かおるの台詞は“駄文”が多く、緒方は始めから録り直しをしているという。“駄文”というのは、画面上のアイテムなどをクリックすると表示されるテキストのことで、作品内では、例えばクリックし続けるとキャラクターが不機嫌になったりするような演出をしており、クリック数に応じて台詞を変えたりしているため、膨大な量になったという。浅田プロデューサーも「『1』と『2』をあわせて、ひとりで4万ワードくらいあるんです。だいたい普通のアドベンチャーゲームって、全部のテキストをあわせて2万ワードくらいなんですよ」と話す。

 なぜわざわざ意味のない台詞を……と思う人も多いかもしれないが、菅野ひろゆきのゲームにはそうした“駄文”の演出が多くあり、そこがファン心をくすぐる部分でもあった。こうした細部まで作り込んでいるという話は、ファンとしてもうれしいところだ。

1503_ogata_04.jpg初公開された『2』の八十神かおる。ちなみに、パイプはくわえるだけ。

 さらに緒方は制作の裏話を「スタジオに行くだけでなく、ミーティングもしています。プロットが残っていたり台本の一部があって、菅野さんのやりたいことは大体わかるのですが、もう一度作らなければならないとき、『できるだけ菅野さんの気持ちを残すためにはどうしたらいいんだろう』って協議をしながら作っているんですよ。だから時間がかかっているんです」と語る。浅田プロデューサーも「緒方さんには『1』から演じていただいているので、そうした違和感にも気づいてくれます。自分たちも修正するところをチェックしながら作っているので……。発売日を言えればいいんですけどね」と、制作がなかなか進んでいない背景を明かした。

 一方、キーワードトークでは、八十神かおるの“童貞臭”に触れる緒方。「10年前に作品が出たときは、私自身が未熟だったこともあったんですが、台本上で(八十神かおるが)童貞っぽく書かれていたんです。でも、今回、それはやっぱりおかしいとなって、“童貞臭”をなくそうという話になりました。今回のポイントはそこなんですよ。(収録でも)ここはちょっと童貞っぽいので、少しだけ語尾を直しましょうとか(話しています)。改めて演じることで、前回よりもすごく深みのあるキャラクターになり、同じ台詞でも“深度”が違って、とても魅力的な探偵になっていると思います」と、『1』をすでにプレイしているファンに向けた見どころを語った。

 そして最後にファンへ向けたコメントとして、涙をこらえながら作品への熱い思いを伝えてくれた。

1503_ogata_02.jpg出演者から「志倉社長に似ている」との声もあった東西。

「いろいろな作品で、リメイクやリビルドといった、もう一度やらせていただく機会がありますが、ありがたいことに、私の場合はただのリメイクではない形でもう一度同じキャラクターと出会うことがあり、すごく幸せなことだと思っています。大好きだった菅野さんが亡くなられてしまって……。菅野さん、Twitterの最後のアイコンが、かおるなんですよね。何度か、『最後まで作りたい』とうかがっていたので、『作りたい』とずっと思ってご逝去されてしまったんです。その菅野さんが残した気持ちを一生懸命汲み取って、なんとか形にしようと熱意を持って努力する浅田さんをはじめ、スタッフのみなさんがこの作品を作ろうとしたことが、まずすごいことでもありますし、そこにもう一度新しい形で命を入れられることは素晴らしいことだと思います。いろいろな意味で、ゲーム史に残る作品をみんなと一緒に最後まで作ることができればいいなと思います」

 現在の進捗は、浅田プロデューサーによれば、『1』が終わったということで50%だという。声優、そしてスタッフの愛が詰まった菅野ひろゆき氏の未完の遺作の完成を、これからも温かく見守っていきたい。
(取材・文/桜井飛鳥)

Desire -希望-

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少年ボイスが本当に素敵です…!

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