舞台稽古に現れない女優の身に一体何が……？　舞台俳優たちの連帯感を左右するある離婚問題の話

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――“上京ドリーマー”だった元俳優が綴る、“舞台裏”で起こっていたあんな事やこんな事。

女優さんの離婚問題に関するお話です。

　みなさん、こんにちは、SHINOBUです。

　春が近づくこの季節、私は花粉症に悩まされておりまして、鼻も目もグチュグチュです。みなさんは、風邪などひかれていませんか？

　前回は舞台にまつわる俳優の恋愛事情についてお話しましたが、今回はある女優さんの悲劇（？）についてお話したいと思います。

　これはある舞台での出来事です。稽古が始まる前に、出演者が一同に集まって誰がどの役を演じるか、自己紹介を兼ねて発表し合う日があります。これがいわゆる、「顔合わせ」です。これから約3カ月間一緒に過ごすことになる、その最初の日なので、緊張もしますし、同時にやはり、わくわく感があります。しかし、その舞台の打ち合わせには、ある女優さんだけ、来ていませんでした。その時の舞台における彼女の役どころは重要だったのですが、「きっと、スケジュールが合わなかったんだろうな」と思っていました。

　ところが、稽古が始まってもその女優さんは現れず、彼女が出演するシーンの稽古は誰かが稽古場の隅から台本を読むだけ。共演する俳優さんは、空中に向かってセリフを吐くのみ……という、なんとも不思議な時間が流れました。確か、1カ月ほど、その状態は続きました。通常というか……普通はこんな事はあり得ません。舞台の稽古期間中、1日、2日、俳優がテレビの撮影などで抜けることはよくありますが、顔合わせから1カ月経っても、一度も来ないというのは非常事態です。さすがに主催者側も困惑していて、どうしたらいいのかまったく分からない状況のようでした。

　そうして、彼女が出演するシーン以外はだんだんと形になっていき、俳優陣にも連帯感が生まれてきた頃、突如その女優さんが現れたのです。なぜか、電気ポットと炊飯器を持って！

 
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