妙にエロティックな『ガンダム Gのレコンギスタ』23話 富野アニメ恒例のキャラクター処分市もスタート!

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『ガンダム Gのレコンギスタ
第23話「ニュータイプの音」

【今週の極私的見どころ!】
 最終決戦に向けて、富野アニメ恒例のキャラクター処分市がついにスタート!

 今回は物語序盤から登場していたあのキャラと、中盤から登場してライバルキャラ的な雰囲気を漂わせながらも、今一つ突き抜けきれなかったあのキャラが死亡しちゃいます。スタート当初は“白富野”オーラがプンプン出ていた『Gレコ』ですが、ここにきて“黒富野”な兆候もちらほら。いろいろな意味で目が放せないエピソードになりました。

【今週のおすすめ度】
★★★★★
(前回のあらすじはこちら

 こう着状態に陥った地球圏。そこに金星の勢力であるジット団と、海賊部隊が合流。ジット団はマスク部隊と結託し、新たな陣営が生まれたことがクリム(CV:逢坂良太)の発言から明らかになります。これで現在の勢力は、アメリア軍、キャピタル・アーミィ、ドレット艦隊、海賊部隊。そして、マスク(CV:佐藤拓也)とジット団の混成部隊の5勢力となりました。まさにバトルロワイヤル。最終話に向けてのお膳立てが揃った感があります。

 ちなみにこのシーンでは、ドレット艦隊の前線指揮官・マッシュナー(CV:たかはし智秋)のセクシーショットが大量に登場。中の人である“チアキング”ことたかはし智秋に雰囲気が似ていると一部でささやかれていた彼女ですが、まさかこれは声優ネタ?

 さらにセクシーショットは続きます。アメリア軍の旗艦・サラマンドラに合流した海賊部隊はアメリア軍司令のスルガン総督(CV:木下浩之)に面会していますが、なぜか彼は上半身裸。そして、乾燥肌という彼の背中にベルリ君(CV:石井マーク)が保湿クリームを塗り塗り。中年男性と少年のお肌の触れ合いという、なかなかにレベルの高いシチュに視聴者も戸惑うばかりです。

 一方、アイーダ(CV:嶋村侑)、ラライヤ(CV:福井裕佳梨)、ノレド(CV:寿美菜子)の三人娘もボディラインがバッチリ出るスーツ姿を披露。妙にエロティックな絵面が続きますが、会話はシリアス。アメリア軍はマスクが占領したカシーバ・ミコシ奪還作戦を実行し、それを盾としようと画策。メガファウナの戦力もアメリア軍に組み込もうとスルガンは目論みますが、ベルリたちは「あくまで海賊部隊」という独立した立場でいることを主張します。金星でこの騒乱の実態を知った彼らは、どこかの勢力に肩入れするのではなく、地球圏にとって正しいと信じるものに従って行動することを選んだのです。

 前回はベルリと義母の決別が描かれましたが、今回はアイーダと義父の決別のエピソードになるようです。スルガン親子の別離のシーンは、なかなかに感動的……ですが、最後にスルガン総督は気になる発言をします。もしかしたら、ベルリとアイーダが姉弟じゃない可能性もあるかも? 恋を知ったベルリ君にワンチャンあるのでしょうか!?

 妙にエロティックと言えば、ドレット艦隊のマッシュナーとロックパイ(CV:平野潤也)の関係も見逃せません。かねてより怪しい関係と見られていた二人ですが、ついにマッシュナーは「気持ちよかったんだから」と、ロックパイと肉体関係があったことを匂わせる発言をします(しかも、このセリフを言いながら化粧のチェックをするあたり、妙な生々しさがあります)。

 そして、フルムーン・シップ拿捕を狙って動き出したマスク部隊に対して、アメリア軍の戦艦サラマンドラの出足が遅れたことについて、ミック(CV:鷄冠井美智子)はクリムに「寝坊しましたものね」とチクリ。その直後にサラマンドラの艦長は赤面。こいつらも戦闘前にヤってたことをうかがわせます。もともと富野作品には「性愛」要素がかなり強く出ることで知られていますが、『Gレコ』はその要素がかなり強い気がします。しかも、男女ともに性欲に対してかなりあっけらかんとしています。どうも「性欲」=「バイタリティ」という方程式が富野監督の中にはあるみたいですね。セックスして戦争して、という生物の本能に忠実な生き方が、リギルド・センチュリーに生きる人々のメンタリティってことでしょうか。草食系(というか、非モテ)な筆者にはかなり生きづらい世界っぽいなあ~。

 そんなこんなでキャピタル・アーミィのベッカー中尉(CV:姫野惠二)率いるウーシア部隊が出撃し、サラマンドラに接近。唐突に戦端は開かれました。お久しぶりのベッカー中尉は、相変わらず好戦的な言動で物語を盛り上げます。「ヤザン(『Zガンダム』に出てきた強敵)もどき」という視聴者コメントも見受けられますが、こういう戦闘狂キャラが出てくると、とたんにストーリーの緊張感が増しますね。しかも、今回はわりとしっかりした作戦行動を取ってきています。かつて、高トルクパックでぶん殴られたキャラとは思えないほど、デキるパイロットぶりを見せつけてくれます。

 一方、ミックは「棺桶ビット」なる謎の新兵器で応戦。『よつばと!』(KADOKAWA アスキー・メディアワークス)のダンボーみたいな四角いロボット型のビットがビームをかく乱。なんだかよくわからない装備ですが、とにかく戦闘シーンは今回もかなりド派手。そこにロックパイら、ドレット艦隊のMS部隊も乱入。ベッカーの乗るウーシアを撃墜します。相変わらずストーリーはともかくとして、バトルシーンのアイデアは毎回「これでもか」とぶっこんでくる『Gレコ』です。

 三つ巴の大規模な戦闘が繰り広げられる中、偵察しようと接近してきたメガファウナのMS部隊ですが、初めて戦争を見るビーナス・グロゥブのMS・ポリジット(メガファウナと同行)のパイロットは、錯乱して戦場に突っ込んでしまいます。それを止めようと「戦争は無駄死にを呼ぶから!」「G-セルフの義務を果たす」といった、妙に責任感を感じさせるセリフと共に出撃するベルリ。

 残念ながら、ポリジットを守りきれなかったベルリは、Gセルフのパーフェクトパックの能力をフルに活用して反撃を開始。「全部のパックの能力が使える」と言われていたパーフェクトパックですが、本当にこれまで登場した各パックの能力を発動させ、攻守ともにパーフェクトな強さを見せつけます。さすがにチートすぎやしないですかね?

 そんな無敵の強さを発揮するGセルフの前に、ロックパイの乗るMS・ガイトラッシュはあえなく敗北。ロックパイも宇宙の塵となってしまいますが、ここでベルリはロックパイの死に感応してしまいます。この描写に「カミーユみたい」という視聴者コメントが。確かに高い戦闘能力を発揮し、ニュータイプ能力で戦場の死者の魂に感応してしまいながらも、冷静に戦況を把握するベルリの姿は、感受性が豊かすぎるが故に精神を破たんさせてしまった『機動戦士Zガンダム』の主人公・カミーユを連想させなくもないです。最終決戦を前に、続々と主要キャラが在庫整理されていく展開も『Zガンダム』的。まさか、ここにきて『Gレコ』バッドエンドフラグが立ったのでしょうか?

 しかし、そんなベルリを立ち直らせるように、仲間が集結。劇場版『Zガンダム』では、隣人の存在がカミーユの精神崩壊を防いだわけですが、『Gレコ』でも同じように仲間の存在にベルリは救われるのか? 

 さてさて、一方マスク率いる戦艦スペース・ガランデンはフルムーン・シップのジット団と接触。独自に共闘関係を結んだようです。ジット団に同行していたフラミニア(CV:玉川砂記子)曰く、ビーナス・グロゥブとクンタラは同じようなものとのこと。共に差別される対象だった存在、主流から遠く離れた存在だった、ということですかね。卑下される者同士、時代の覇権をかけて反旗を翻す……といったところでしょうか。

 対する海賊部隊は、アメリア軍と共にカシーバ・ミコシを奪還。徐々に勢力は統合され、物語は終局に向かっていることを感じさせます。思えば、フォトン・バッテリーの利権争いがこんな宇宙規模の戦争になるなんて。遠くまでやってきたなあとしみじみしちゃいますね。

 さあ泣いても笑っても、残り3話。ラストの盛り上げに定評ある富野由悠季監督のこと。ここからさらにグイグイとテンションを上げていくこと必至! 座して放送を待ちたいと思います。次回予告の決めゼリフは「バッテリー フル・チャージ!」でした。ついにバッテリーが満タンになったってことで、次回も怒涛の展開が期待できそうですね!
(文/受動 明日)

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