アニメ『艦隊これくしょん -艦これ-』第10話 ネットでも騒然! 提督は単なるキモヲタだった?

――毎日、何本ものアニメが目まぐるしく放送されている現代日本。これだけ放送本数が多いと、見るのだって一苦労……。そんな悩める現代オタクのため、「おたぽる」がオリジナル作品を中心にテレビアニメ・レビュー! これさえ読めば、気になるあのアニメのあらすじから評判までがまるわかり!!※本文中には“ネタバレ”が含まれていますので、ご注意ください。

■『艦隊これくしょん -艦これ-』
第10話「頑張っていきましょー!」

【今週の極私的見どころ!】
 後ろ姿だけの“ちとちよ”(泣)。

 数が多いだけに、艦娘たちすべてがアニメに出演できないことは仕方ありません。ゲームを通じて、それなりに人気がある艦娘であっても、これまで未登場は多数! 千歳と千代田の姉妹、通称“ちとちよ”もそんな艦娘です。でも、ゲームでは早い段階から入手できて水上機母艦から空母へと改装できる“ちとちよ”と長く戦いを共にしていた提督も多いはず。そんな思いにこたえて、ついに今回、“ちとちよ”が登場しました!

 作戦室で大淀(CV:川澄綾子)が“ちとちよ”と通信をしていることを告げ、さらに「戦力増強を確認!」というシーンでは……後ろ姿。はい、声もなく後ろ姿だけでありました。うん、彼女らを嫁にしている提督たちの悲しさはわかります。でもね、まだ諦めちゃだめ! 最初は名前だけ呼ばれて登場しなかった夕張も、ちゃんと登場しているじゃないですか! まだ可能性はあるから信じて待ちましょうよ!

【今週のオススメ度】
★★★★★
(前回のあらすじはこちら

 前回、提督亡き(いや、戦闘中行方不明だから、いいよね)鎮守府で秘書艦・長門(CV:佐倉綾音)から「かいになれ」と告げられた吹雪ちゃん(CV:上坂すみれ)。てっきり「貝になりたい」なのだと、海の底の貝に、と思ったのですが「改」でしたね、はい。前回『私は貝になりたい』といえば、フランキー堺主演の映画だと思って書いたのですが、「中居正広主演でリメイクしているだろ!」という手厳しいツッコミを頂きました。紙面を借りてお詫びします。

 さて、トレーニング中に通りがかった甘味処・間宮はなんか雑だけど復旧。提督が指令書を残してくれたおかげで、なんとか鎮守府も回っているみたいです。いや、指令書っていうのは「部隊を用いて、どこどこを攻撃しろ」とか明瞭に記されているものだと思ったのですが……どうも指令書がやたらと不明瞭だったみたいで、長門も陸奥(CV:佐倉綾音)も頭を悩ませるばかり。そんなことはつゆ知らず、吹雪ちゃんは頑張っているのです。

「頑張る、私必ず改になってみせる!」

 なに! 「改になれ」と命令されたけど、まだ練度を上げないとなれないんだって?

 というわけで、今回はスポ根回であります。教室でも夕立ちゃん(CV:タニベユミ)に色々と話を聞いて、練度を上げる方法をメモってる吹雪ちゃん。思い込んだら一直線。復旧した間宮に行こうと睦月ちゃん(CV:日高里菜)が誘っても、トレーニングがあるからと断って励んでます。なにせ赤城先輩(CV:藤田咲)と出会っても挨拶だけなので、加賀さん(CV:井口裕香)も驚いています。

 さて、そんな吹雪ちゃんたちに索敵任務が下ります。それは棲地AFを特定するための任務。神通を旗艦に、川内と那珂ちゃんの三姉妹(CV:すべて佐倉綾音)、睦月ちゃんと夕立ちゃんも一緒に出撃です。

 索敵任務ゆえ、敵と遭遇したら離脱という指示。でも、実際に敵と出会えば簡単に離脱することはできません。かくて始まる遭遇戦。敵も駆逐艦程度ですから、たいした敵ではないはず……。でも、ここで吹雪ちゃんは頑張り過ぎてしまいました。旗艦の指示もなく陣形を無視して前方に突出! いやいや、艦隊戦で個人プレーすんなよと、みんなも思っているでしょう。案の定、いきなりの中破! そして大破!
 
 目覚めたのは浴室。いや、ドックでした。心配のあまり、服を着たまま浴槽に飛び込んで泣く睦月ちゃん。川内は「当たってたら轟沈だったよ」と。でも、“改になること”しか頭にない吹雪ちゃんは「もう少しだと思ったのに……」と、空気の読めない言葉。当然、睦月ちゃんは泣きながら怒ります。

「吹雪ちゃん、轟沈するところだったんだよ! 轟沈したら、戻って来れないんだよ!」

 第三話で姉妹艦・如月を失った睦月ちゃん。これ以上、仲間を失いたくない。その気持ちでいっぱいなんです。

 場面は変わって夜の海岸。そこは、第一話で吹雪ちゃんが故・提督と出会った場所です。ここで第一話で語られなかった、吹雪ちゃんと提督との会話が明かされます。あの時、吹雪ちゃんは故・提督に尋ねていました。「どうして私を呼んだのですか?」と。

 故・提督の答えは……「夢に見た」でした。

 その夢は、ウエディングドレス姿の吹雪が「私、司令官のこと大好き!」と語るという夢。そして、提督は「だから、ここから始めていこう。夢をもって進んでいこう」と。

 吹雪ちゃんの夢……それは、誰かの役に立つこと。そのために、吹雪ちゃんはここまで頑張ってきたのです。

「絶対、いなくなったりしないから、約束するから」

 さて、翌朝、吹雪ちゃんのところにやってきた赤城先輩は言います。次の戦いの随伴艦に吹雪ちゃんを伴いたいと。それは、吹雪ちゃんのずっと夢見てきたことでしたが、そのためには試練を乗り越えなければなりません。加賀さんは言います。

「赤城さんの意志は尊重したい。でも赤城さんは、私にとって、いえ連合艦隊にとって欠かせない正規空母。ゆえに赤城さんを守る力があるか確かめてほしい」

 そう、次の戦いは機動部隊同士の航空戦だと想定されます。それゆえ、随伴艦になるためには正規空母を守ることのできる防空能力が欠かせません。そこで、赤城先輩と加賀さんは演習という形で、吹雪ちゃんの能力を確かめるというのです。

 その演習とは、赤城先輩と加賀さんの放つ演習用の艦載機を吹雪ちゃんだけで撃破すること。いやいや、駆逐艦一隻に対して正規空母二隻の艦載機って……。リアルでも一瞬で終わりそうですが、この世界ではほぼリンチです。心配した睦月ちゃんたちも駆けつけますが、演習という名のリンチは終わりません。ホント、海軍は恐ろしいところだったんですね……いや、現代でも海上自衛隊ではシゴキで死人が出ているわけで、現在進行形で恐ろしいところです。軍隊に行くときには、何がなんでも陸のほうを選ぶようにしたいです。

 演習なのに、ほぼ大破しているみたいな吹雪ちゃん。睦月ちゃんは「もう無理だよ」と叫びますが、吹雪ちゃんは「私、誰かの役に立ちたいの」と立ち上がり、倒れます。それでも、止めようとしない赤城先輩。

「あなたの努力はそんなものではなかったはず! あなたならできるはずです、立ちなさい!」

 最後の力を振り絞って立ち上がり、演習機をすべて撃破した吹雪ちゃん。最後まで戦い抜いた吹雪ちゃんに赤城先輩は「よく頑張りました」と微笑むのです。そんな吹雪ちゃんの身体に、あの光が! そう、吹雪ちゃんも改になる練度を得たのです。夕立ちゃんみたいにおっぱいが大きくなったりする外見の変化はなかったものの、無事に改となった吹雪ちゃん。

 その頃、報告にやってきた赤城先輩と加賀さんを前に、長門は故・提督の指令書に書かれていたことを告げます。それは……

 駆逐艦・吹雪が、この作戦の鍵になる!

 さあ、第10話を迎えて、残りもあとわずかな今回。ついにわかってしまいました。この世界の戦いの目的……いや、前回、奇襲された鎮守府で寡兵ながら反撃を敢行し、壮烈なる戦死を遂げた亡き提督の目的が!

 それは、夢で見た吹雪ちゃんとの結婚を現実にするもの。自分が吹雪ちゃんに「司令官のこと大好き!」と言われたいがためだったのです。ゲームをプレイしている提督にとっての夢。艦娘との深い絆を結ぶケッコンカッコカリのシステム。それが可能となるレベル99を目指して、提督たちは艦娘たちの練度を上げているわけです。

 とはいえ! ここの提督ってば、夢で見たように、自分が「大好き!」と言われるという目的のために、艦娘たちを戦場に送り込んでいたのですよ。第三話の如月の轟沈……それもすべては、この提督が吹雪ちゃんとケッコンカッコカリをするためだったんです。
 
 どういうキモヲタだよ! すべては私利私欲のため。ここはたいしたブラック鎮守府だったようです。その予想だにしない理由に、ネット上の提督からはさまざまな意見が寄せられています。「アニメ提督は無能なだけならまだしも今回の話でクッソキモい人間だったということが判明してしまった」という抑えられない怒りを述べる人もいれば、「ひょっとして、この鎮守府の提督は夢の中でこれから起こる出来事を予見する能力があると見せかけて、一度史実どおりの未来を生きてきたのが、死の寸前で過去に転生したという設定の可能性が」と、高度な読みをする人が……いや、それは『紺碧の艦隊』(徳間書店)でやってますがな。

 結局「提督が吹雪を選んだのが『吹雪と結婚する夢を見たから』という理由だったので、提督=お前ら説が濃厚になってきた」とのネットの声にも示されるように、故・提督はキモヲタだったんですね~。でも……自分の嫁にしたい艦娘を任務にかこつけて指名ができるなんてーーー!!! うらやま、うらめしい!

 さらに気になるのは、残りのストーリー展開。どう考えても、これからの出撃は史実のミッドウェーを模している感じがぬぐえません。まさかの赤城先輩と加賀さんが轟沈なんて、鬱エンドがあるんじゃなかろうか。ここまで、視聴提督たちの期待をよくも悪くも裏切り続けて来ただけに、そんな展開もありそうな気もします。

「巡航節」では、

娘さんよく聞け
生徒さんに惚れるな
沖でドンと鳴りゃヨー
若後家よ

 と歌われたように、戦いに捧げた身の上ならば、出撃すれば命を惜しまないのが艦娘たちでありましょう。それでも、もう誰も轟沈しないでほしいと、切に願ってやみません。
(文/昼間 たかし)

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