声優誌レビュー「声優グランプリ」2015年3月号

老舗媒体もやむなく値上げ? 「声優グランプリ」の価格推移に物思う

――昨今の声優人気に伴い、気がつけば声優専門誌も定期・不定期を合わせて10誌以上が刊行されている。そんな“声優誌 群雄割拠”の時代にあって、各誌はどのような記事・企画をとりあげているのだろうか? 主要な声優誌を中心に、目玉記事や気になる企画などを紹介しつつ、各誌の特徴を分析していく――

■「声優グランプリ」2015年3月号
出版社…学研パブリッシング
発売日…1月10日(毎月10日発売)
価格……1204円+税
創刊……2004年

「声優グランプリ」3月号の表紙&巻頭特集は小倉唯。3月25日に1stアルバム『Strawberry JAM』を発売することからソロでの登場となったが、意外にも同誌の表紙を単独で飾るのは初めてとのこと。

 それにしても、最近のアニメ声優って歌う機会が多いですよね。彼女にしても、石原夏織とのユニット・ゆいかおりはもちろんのこと、先述のソロ活動、さらにはアニメで主演級に起用されれば、もれなくキャラソンの仕事までついてくる。養成所や専門学校で「声優&ボーカルコース」なるコースが増えているのも、単なる“養成所ビジネス”とは言い切れないんだろうなぁ。

 そのほかのページでは、現在放送中のアニメ出演者を軸としたインタビュー企画が並んだお馴染みの構成だが、なかでも面白かったのは不定期企画の「故郷に錦を飾る!」だ。同コーナーは、声優の生まれ故郷を舞台としたグラビア&インタビューページ。思い出の場所を紹介しつつ展開される記事は、声優たちの幼少・青春時代を知ることができて読み応えがある。

 今月の同コーナーのゲストは小松未可子。故郷・三重県に帰省し、中高一貫の母校で恩師と再会を果たしたほか、幼少期の貴重写真や小学生時代の日記、陸上部時代のユニフォームなどが掲載されている。

 正直、このコーナーは「3ページじゃもったいない! いや、動画でも見たい!」と思ってしまう。同行する編集者がハンディカム片手に撮影して、WEBで公開とかしてくれないかなぁ。いやまあ、動画編集も大変ですし、ややもすれば外部発注でしょうし、実現が難しいのはわかるんですけどね。でも、それだけ密度の濃いであろう企画なのですよ。

 さて最後になったが、気になる点がひとつ。それは、今月号の「声グラ」が“税込み1350円”だったことだ(以下、価格はすべて税込み表記)。1994年、「990円」で創刊した同誌は、厳しい平成不況にも負けずに2009年頃まで「1000円」で戦い続けていた。

 ところが、2009年中頃に1100円へと価格を変更すると、2010年には1200円、2013年には1210円、昨年の2014年には1260円……と、立て続けに値上げを敢行。そして今月号が1350円というわけだ。

 15年近く据え置き価格を続けてきた老舗媒体が、わずか5年程度で3割増とは……これは、なかなかに深刻な事態なのでは? 思わずオイルショックの可能性を考えたが、残念ながら昨夏から原油価格は急落中である。

 WEB媒体の台頭による発行部数低下、声優ブームに伴うアポ取り競争率の激化など、さまざまな事情が考えられるが、こんなときこその老舗雑誌。今後も密度の濃い誌面構成で紙媒体の意地を見せてほしいところだ。

 ちなみに、「声グラ」は「6ヵ月定期購読で1号分無料(6カ月分の値段で7号お届け)」というお得なサービスをやっております。毎号書店で購入している読者は、これを機に定期購読に切り替えることを検討してもいいかもしれない。
(文/神楽坂隆)

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